角の二等分線の性質(線分比の公式)に関する定理の証明

東大塾長の山田です。
このページでは、角の二等分線の性質(線分比の公式)」について解説します

角の二等分線の性質の証明を、イラスト付きで丁寧にわかりやすく解説しきます
また、さいごには角の二等分線の性質を利用する練習問題も用意しているので、ぜひ最後まで読んで「角の二等分線の性質」をマスターしてください!

1. 角の二等分線の性質(線分比の公式)

角の二等分線の性質(線分比の公式)

下図のように、線分\( \mathrm{ AP } \)が\( \angle A \)を二等分するとき、

\( \displaystyle \large{ \color{red}{ AB:AC = BP:CP } } \)

 

2. 角の二等分線の性質(線分比の公式)の証明

角の二等分線の性質(線分比の公式)がなぜ成り立つのかを証明していきます。

 

線分\( \mathrm{ AP } \)を延長し、点\( \mathrm{ B } \)、点\( \mathrm{ C } \)から下図のように垂線を下ろします。

すると、\( \mathrm{ \triangle ABQ } \)∽\( \mathrm{ \triangle ACR } \)(∵角の二等分線と90°で,相似条件『2組の角が等しい』)
よって、\( \mathrm{ AB:AC = BQ:CR \ \cdots ① }\)

また、\( \triangle BQP \)∽\( \triangle CRP \)(∵90°と対頂角で,相似条件『2組の角が等しい』)
よって、\( \mathrm{ BQ:CR = BP:CP \ \cdots ② } \)

①,②より \( \large{ \color{red}{ AB:AC = BP:CP } } \)

 

したがって、角の二等分線の性質(線分比の公式)が成り立つことが証明することができました。

 

3. 角の二等分線の性質(線分比の公式)を利用する例題と解説

それでは、実際に問題の中で使ってみましょう!

例題

下図のような\( \triangle ABC \)の内心を\( I \)とするとき、\( AI:ID \)を求めよ。

【解答】

内心の性質より、線分\( \mathrm{ AI } \)は\( \angle A \)の二等分線となります。
同様に、線分\( \mathrm{ BI } \)は\( \angle B \)の二等分線となります。

よって、角の二等分線の性質より

\( \displaystyle AI:ID = BA:BD \)

\( \mathrm{ BA = 10 } \)はわかっているので、あとは\( \mathrm{ BD } \)の長さを求めればよいです。

ここで、角の二等分線の性質より、

\( \begin{align}
\displaystyle BD:CD & = AB:AC \\
& = 10:8 \\
& = 5:4
\end{align} \)

よって、

\( \begin{align}
\displaystyle BD & = BC \times \frac{5}{5+4} \\
\\
& = 12 \times \frac{5}{9} \\
\\
& = \frac{20}{3}
\end{align} \)

したがって

\( \begin{align}
\displaystyle AI:ID & = BA:BD \\
\\
& = 10:\frac{20}{3} \\
\\
& = \color{red}{ 3:2 \ \cdots 【答】 }
\end{align} \)

 

4. 角の二等分線の性質まとめ

以上が、角の二等分線の性質(線分比の公式)の解説です。しっかり理解できましたか?

角の二等分線の性質は基礎事項かつよく使う定理なので、必ず覚えておきましょうね!

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