物理標準問題精講を使うべき人と効率的な勉強方法

東大塾長の山田です。

この記事は、

  • 「物理標準問題精講」を使おうか検討している
  • 「物理標準問題精講」の効率的な勉強方法を探している

という方に向けての情報です。

「物理標準問題精講って、実際どうなの?」
「一応やっているけど、本当に理解できているんだろうか…?」

など、いろいろな疑問に答える記事を作成しました。

私の塾生には、難関大志望の生徒全員に「物理標準問題精講」を取り組ませています。マスターすれば、東大にも通用する力が身に付くからです。なので、「物理標準問題精講」を全問題解説する授業もしています。

この記事では、最難関の物理参考書である「物理標準問題精講」について、徹底解剖しています。難易度やレベル、中身、効率的な勉強方法、そして次にやるべき勉強まですべての情報を網羅しています。

ぜひ参考にしてください。

1 「物理標準問題精講」とは

まずは「物理標準問題精講」の基本データを紹介します。

1.1 難易度やレベル感について

物理標準問題精講の難易度やレベル感ですが、

【私大】東京理科大レベル以上
【国立】旧帝大レベル以上

と考えてください。

「物理標準問題精講」を仕上げた後は、志望大学の過去問演習に入ってOKです。東大志望であれば「東大の物理25カ年」などに取り組む力が十分につきます。

1.2 「物理標準問題精講」に取り組むべき人とは?

基礎力が完成している人は、「物理標準問題精講」に取り組んでもOKです。

もっと具体的にいうと

  • センター物理で80点以上を取れる
  • 物理基礎問題精講をマスターした
  • 「物理のエッセンス&良問の風」をマスターした

のうち、どれか一つ当てはまれば取り組んでOKです。

物理標準問題精講をマスターすることで、東大京大、国立医学部など最難関大レベルの実力を身に付けることができます。

ただし、
「物理基礎問題精講や物理のエッセンスはやったけど、まだセンター物理でどれだけ取れるか分からない」
という場合は、まずはセンター物理を攻略しておきましょう。

センター対策をやることで、知識の総まとめができますし、基礎計算も素早く処理できるようになります。

2 「物理標準問題精講」の内部構成

では次に、「物理標準問題精講」の中身がどんなふうになっているのかを説明します。勉強するイメージを掴んでください。

2.1 参考書の中身はこんな構成になっている

このように2冊に分けて使うことができます。

問題冊子の中身はこのようになっています。

  1. 扱うテーマ
    • 問題が取り扱っているテーマが明示されています。
  2. 問題
    • 難関大の物理における標準かつ頻出の良問がそろっています。
    • 問題数は90題あります。(力学26題、熱力学10題、波動19題、電磁気25題、原子10題)
    • 各小問は難易度別に「無印」「★」「★★」に分かれています。

無印…落としてはいけない基礎問題
★ …合格ラインの標準問題
★★…難関大の物理で点差がつく問題

 

解説冊子の中身はこのようになっています。

  1. 精講
    • 問題に関する知識や重要事項が整理されています。
    • この「精講」の部分の知識は瞬時に出てくる必要があります。
  2. Point
    • 「精講」部分のまとめです。重要事項や暗記事項がまとめられています。
  3. 解説
    • 解答の手順を具体的にまとめてあります。
    • 問題に対する考え方(なぜその立式になるのか?)や、より深い理解のための解説がなされています。
    • 記述式解答の模範になるような立式根拠の記述も参考になります。

かなり難しめの問題もありますが、解説を読んで何とか格闘したいです。問題の質、解答の質共に、かなりの完成度を誇っているといえます。

2.2 物理標準問題精講の特徴とポイントまとめ

物理標準問題精講の特徴やポイントを以下にまとめておきます。

  • 物理現象の理解が深まる素晴らしい良問である
  • 難関大対策に相応しい難易度である
  • 90題という少なさで難関大物理の解法パターン網羅ができる

以上のように、非常に完成度の高い良書です。学校の授業についていけている人なら、迷わず「物理標準問題精講」を使う人をおすすめします。

 

3 「物理標準問題精講」の効率的な勉強法について

ここからは効率的に勉強するための事前知識をお話しします。

3.1 理解の基準は「人に説明できるかどうか」

「ちゃんと理解できているのか不安です…」
と、よく生徒から質問を受けます。

その返答は「じゃあこの問題を説明してみて。」です。
これで、一発で理解できるかどうか、分かります。

「同級生に対して、説明できるか」をチェックしましょう。実際に誰かに説明する必要はありませんが、頭の中で説明を必ずやりましょう。

3.2 分野毎に区切ってループする(復習法)

「物理標準問題精講」に含まれる問題数は次のようになっています。

  • 力学 …26題
  • 熱力学…10題
  • 波動 …19題
  • 電磁気…25題
  • 原子 …10題

5つの分野を一つずつマスターしていきます。

つまり、
「力学をマスターするまで何周もする」
⇒「熱力学をマスターするまで何周もする」
⇒「波動をマスターするまで何周もする」
⇒「電磁気をマスターするまで何周もする」
⇒「原子をマスターするまで何周もする」

というふうに、5段階に分けて進めるということです。

こうすることで、適度な時間間隔があいて、復習が効果的になります。また、1分野1週間以内で1周できます。達成感も得やすいですし、マスターした分野だけ過去問演習に挑戦することもできるのです。

4 具体的な勉強スケジュールモデル

では、勉強方法の前提知識を押さえたうえで、ここからは具体的な勉強スケジュールのモデルを紹介します。

実際の計画は一日何時間かけられるのかによって変わってきますし、他の科目との兼ね合いも個々人で違います。なので、ここで紹介するモデルを自分の状況に合わせて使ってみてください。

4.1 分野内の勉強方法

まず、分野ごとに区切って勉強を進めるのでしたね。
その分野ごとの勉強の流れです。

■1周目:まずは理解に徹する

  • 参考書1周目は「問題を読む→すぐさま解説を読み、理解する」という流れでよいです。いきなり問題と格闘できそうならいいのですが、おそらくそうはいかないからです。
  • 問題と解説を理解する際のコツは、「なぜこの公式を使うのか?」「この現象に対して、なぜこの手順で考えるのか?」その必然性を納得いくまで考えることです。ただ解答を見て、「そうか~こうしたら解けるのか~」で解答の流れを覚えようとしても、あまり実力は尽きません。解法の必然性を考える、これを意識しましょう。
  • 模範解答の必然性が理解できたら、解答を写経します。自分で取ったノートは2周目の勉強に使います。
  • 「きちんと考える癖をつけなきゃ、知識も身に付かないんじゃないのか?」と不安になるかもしれませんが、大丈夫です。「知識のアウトプット」や「知識のブラッシュアップ」は過去問演習の段階で行うからです。ここでの「標問マスター」の目的は、「典型問題を一通り押さえておき、難関大物理と格闘する基礎体力をつけること」ですので。
  • 単元内の問題を、まずは理解していきましょう。

 

■2周目:ノートを見返すだけでよい

  • 2周目は、問題を読み、「なぜこの公式をつかうのか?」を思い出しながら、ノートを見返します。
  • 1分野まるごとの復習を1日とか2日で一気に復習します。こうする理由は、勉強スピードを極限まで高めるためです。
  • 1周目できちんと理解できても、2周目では解けない問題が多いはずです。難関大合格者でもそんなものなので、へこむ必要はありません。最速で復習を済ませるために、ノート見返しで2回目の復習を済ませます。

 

■3周目以降:手を動かしていく

  • 3周目あたりからは、解けるかどうかチェックしていきましょう。「この現象には、この公式を持ち出す」というのを意識すると手が動きやすいです。
  • 1~2分考えても解法が出てこなければ、即ノートを見返します。もう一度「その解法・公式の必然性」を確認し直しましょう。
  • 解けなかった問題には×印を付けておき、4周目にまたトライします。

 

■4周目以降;“瞬殺できる”まで反復せよ!

  • 3周目で×印のついた問題に対して、解けるかどうかを繰り返しチェックしていきます。
  • 参考書やり込みの目的は「典型的な物理現象をイメージできるようになり、公式運用の型を覚えること」です。瞬殺できた問題には「○」、ダメだった問題には「×」をつけます。
  • 「なんだか問題を暗記しちゃったようで、ちゃんと解けているのかどうかわからない…」という不安がよぎる人もいるかもしれませんが、安心してください。それで大丈夫です。現象に対する解法の必然性が伴っていれば、むしろ覚えてしまってOKです。

 

こうして、分野内のすべての問題が「○」の状態になるまで繰り返します。

4.2 次の分野へ、そして分野毎復習

1つの分野が終わったら、次も同じ要領でこなしていきます。
なお、1つの分野は、1週間を目安に集中的に時間を割いて取り組むとよいです。マスターするまでにかかる時間が短縮されます。

こうして、すべての問題が「○」になったら、標問マスターは完了です!

5 「物理標準問題精講」が終わったら次にやること

「物理標準問題精講」で難関大物理の頻出パターンをマスターした後は、基本的には過去問に取り組みます。

5.1 「標問」の後は過去問演習へ!

過去問演習でやることは、「演習→解法アプローチの確認」です。

難関大の物理で高得点を取る秘訣は「細部まで知識をブラッシュアップすること」です。鍛えればどんな問題も即答できるようになります。
そのために必要なのが「演習→知識まとめ」を大量に繰り返すことなのです。

過去問演習では「志望校過去問、また同レベルの大学の過去問で安定して7割取れる状態」を目指しましょう。
物理7割というのは、東大であっても時間をかければ必ず達成できます。極めると8割以上を安定して取れるまでになります。「演習→解法アプローチの確認」を繰り返しましょう。

5.2 過去問に入る前に、各大学模試の過去問もアリ

もし過去問を使いきってしまった場合や、直前の演習用に過去問を取っておきたい場合は、各大学模試の模試の過去問を利用するとよいです。

平均点や偏差値換算表も記載されているので、結構楽しいはずです。何回でも模試を受けられるようなものなので、時間を測って本番さながらの演習を繰り返しましょう。

6 さいごに

6.1 「物理標準問題精講」で必ず報われる

「物理標準問題精講」をマスターすることで、難関大物理と格闘するための力が十分に養われます。
過去問演習もとてもスムーズにいくことに驚くはずです。

ぜひ「物理標準問題精講」を使って、あなたの勉強を加速させてください。

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1件のコメント

解答を写経するとありますが、計算過程だけでなく解説部分もでしょうか

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