【物理勉強法】ゼロからはじめて東大に受かるまでの流れ

東大塾長の山田です。

「教科書レベルの問題なら解けるけど、本格的な応用問題になると解けなくなる…」
「本当に難関大の物理を解けるようになるんだろうか…」

そんな悩みや不安を抱えている人はたくさんいると思います。

物理は得意不得意の個人差が出やすい科目と言われていますが、そんなことはありません。しっかりと勉強を積み重ねれば誰でも高得点が取れるようになります。物理をマスターするのにはちょっとした秘密もあって、それも含めて物理の勉強方法をお話ししていきます。

1 物理勉強法の大前提

まずは、物理の勉強法の大前提となるお話をします。

1.1 物理攻略の基本は“現象理解”

物理の勉強の基本は、物理現象をイメージできることです。それを数式で記述するのが物理です。

力学なんかはわかりやすいですね。放物運動であれば
「物体がこの角度で飛んでいって、壁にぶつかって、こっちに跳ね返って、何秒経ったらこの場所までくる。」
という感じ。

イメージが大事な理由は、イメージができていないと立式ができないからです。「物理現象のイメージが掴めている。だからそれを数式で書いてあげればいいだけ。」物理が得意な人はこんな感覚を持っています。

波や電磁気、熱力学だとイメージがしにくくなって、苦手な人が増えてきます。それでも、イメージできるまで頑張ります。コンデンサー回路なら「スイッチ入れたら電気がこっちに流れる。だから上極板はプラス、下極板はマイナスの電荷が溜まる。」といった感じです。

では、イメージ力を高めるにはどうしたらいいのでしょうか?それが次の話です。

1.2 良質の問題集をやり込む

イメージ力を高める方法は、
「良質の問題集をやり込み、本質的な物理現象パターンを体で覚えておくこと」
です。

良質な問題集をやり込むことで、イメージ力が着実に付いてきます。物理の解法パターンは数学と比べると10分の1くらいなので、数学に比べると勉強時間は少なくて済みます。

問題集をやり込むと、大学受験の物理は結局「公式をどう運用するかに尽きる」ということが分かります。何が言いたいのかというと、公式がめちゃくちゃ重要だということです。

そして、物理の公式に関して気をつけておいて欲しいことが次の話です。

1.3 公式は“イメージ”と“導出”を再現できるようにしておく

初めての範囲を勉強するときも、問題集をやり込むときもそうなのですが、公式は「イメージができる」ことと「導出できる」ことが大事です。

例えば、「気体分子運動論の帰結」は導出できますか?内部エネルギーが絶対温度Tに比例し、状態方程式との兼ね合いでボルツマン定数が出てくる話です。こういった公式の導出を直ちにできるようになっておくことがとても重要です。

中堅大学ならこの導出自体が入試問題になったりしています。だから楽勝に感じます。

しかし、一部の公式は、あることを知っていないと導出自体ができません。そのあることとは、“微分積分による正統派物理”です。

1.4 受験物理の究極攻略法は“微積物理”

実は物理という学問は、微積分によって成り立っています。これ、意外と知らない人が多いです。大学生になったら物理は“ちゃんと”微分積分で習います。

どういうことかというと、物理とは「物理現象を数式で記述する学問」です。そして、物理現象を立式すると、多くの場合「微分方程式」(数学Ⅲ)になります。この微分方程式を解く行為が、物理現象を解明するということになるのです。

一つ例を出すと、運動量保存則。「ある座標軸で外力の和がゼロなら、その座標軸方向では運動量が保存される」という話です。これは「運動方程式から外力を消去して時間積分すれば、運動量保存の式が得られる」のです。大学受験の物理は、解法パターンどうのこうの以前に、機械的に解ける問題が結構あります。

…と、ちょっと難しかったかもしれませんが、言いたかったのは、こういうことです。

「微積分を使わないとなると、一部の公式は”覚えて使う”感じになってしまう」

 

実際、微積物理ってどんなものなの?

と気になる方は、僕の塾で行っている微積物理の授業を見てみませんか?(以下は授業のひとコマ)

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ただ、微積分を使わなくても難関大の入試問題を解くことはできます。なので、微積分は使わない前提で、物理の勉強の流れを見ていきましょう。

※なお、僕がLUSというサイトで提供している物理の講座は微分積分を使った説明をしています。全国の高校生が参加していますが、誰でも分かるように基礎から説明しています。興味のある方はLINEフォローをお願いします。

2 物理の受験勉強は三段階に分けて考える

物理の勉強は基本的に数学と同じで、三段階に分けて考えます。まずは全体像を把握します。

2.1 第一段階:基礎知識網羅

まず初めに、基礎知識を網羅します。現象の概念を知り、簡単な例題を利用して公式運用の初歩も身に付けます。基礎は徹底的に叩き込み、体で覚えるくらい反復します。

その理由は、次の難関大入試レベルの問題を理解する際に、必要不可欠だからです。物理の場合、細かいパーツ(解法)の組み合わせで問題が解けるようになっていますからね。

例えば、この問題を例に説明してみます。

(問題は前半だけ抜粋してます。)

各問でやることは、

  • 問1… Vの式を微分する。(問題文から微分すればよいことが分かる)
  • 問2… 力を把握し、運動方程式を記述する。
  • 問3… 運動方程式から単振動の式を求める。

力学の大問構成はこんな感じになっていることが多く、ノンストップですべて機械的に処理していけるのです。

2.2 第二段階:解法パターン網羅

基礎知識が固まったら、次は難関大レベルの典型問題に取り組みます。良質の問題集を一つ選び、それを徹底的に反復します。全ての問題について“瞬間的に解ける状態”まで持っていくことがゴールです。

これをやる理由ですが、やはり物理にも「問題対処方法にパターン化されている」からです。典型問題を一通り網羅し、思考の土台を作ることが大事になっていきます。

例えば上の早稲田の問題であれば、
 「運動方程式の記述(単振動だとわかる)」
→「式の形から、つり合いの位置、振動数(周期)が自動的に求まる。」&「初期条件から振幅が分かる」
→「単振動の解(位置xの記述)が得られる」

という典型的な流れで処理できるわけです。

解法パターンを網羅できたら、次は実力養成演習です。

2.3 第三段階:実力養成演習

実力養成演習でやることは「初見の問題を解きまくること」です。その目的は、「公式・解法の運用力を身に付ける」こと。要は「難関大レベルをフツーに解けるようになるまでトレーニングする」ということです。

詳しいやり方は後述しますが、ポイントは「この現象には、この公式を使う」というのを即反応できるようになるまで鍛えることです。たとえば

  • 衝突問題→力積と運動量保存
  • 二体問題→重心運動の把握
  • コンデンサーのスイッチ切り替え→回路方程式と電荷保存

などです。

それでは、全体像は以上で、ここから具体的な勉強の流れについて説明していきます。

3 第一段階:基礎知識網羅の具体的な進め方

第一段階「基礎知識網羅」とは、基礎事項や公式を把握し、基本例題をマスターすることです。到達レベルの目安はセンター試験(あるいは大学入試共通テスト)満点レベルです。

3.1 基礎知識網羅に適した教材とは?

基礎知識網羅に適した教材のポイントは、

  • 基礎知識の導入授業、および公式の説明(証明も含む)の授業があること
  • 基本的な解法パターンが網羅されていること
  • 簡単な例題から入試基礎レベルの問題までスムーズに接続できること

の3つです(数学と同じ)。

各ポイントについて、詳しく説明していきます。

3.2 授業の重要性

一つ目のポイントである「基礎知識の導入授業、および公式の説明の授業があること」ですが、なぜこれが重要なのかというと、2つ理由があります。

1つ目は、独学よりも勉強スピードが圧倒的に早くなること。紙面を追ってゼロから自分で知識を身に付けていくことはもちろんできますが(むしろ大学ではそのように勉強することになります)、優秀な講師から説明を受けた方がよっぽど吸収スピードは速くなります。
「紙面を追いながらノートにポイントをまとめていこう」などということをやると、「理解」と「要約」の2つの作業を同時にやることになるので、効率が下がるのです。また、エネルギーをめちゃくちゃ使いますので、数時間続けての勉強はキツイです。

2つ目は、公式をしっかり理解し、公式の導出まで押さえることで「どんな物理現象に対してその公式を使えばいいのかが、自然と分かるから」です。
先にも述べましたが、物理の公式は微分積分を使って“ちゃんと”導出を経験して、瞬時に導出できるようになっておくことが望ましいです。

「公式なんて、覚えて使えばいいだけでしょ?」
といって丸暗記物理をやろうとする人がいますが、逆に遠回りになってしまうので気を付けてください。

一方、授業なしで独学でやる場合はどうしたらいいのか?
参考書には「物理のエッセンス」をオススメします。超定番参考書なので、知っている人も多いかもしれません。僕の塾でも昔、物理のエッセンスをすべて解説するという授業をやっていました(現在は微積物理を誰でも分かるようなるべく簡単に解説したBASIC物理を開講しています)。

「物理のエッセンス」をオススメする理由は2つあって、
・基礎事項や公式をイメージとリンクして把握しやすい
・本質的で基本的な例題がちょうどいい量で掲載されている
という点です。

僕自身も高校生時代は「物理のエッセンス」を使って、高2のうちにセンター満点レベルに達することができました。やったことは、物理のエッセンスの問題を全てマスターして、センター物理の過去問を数年分くらい解きました。ただ、今高校生に戻ったら微積物理を基礎レベルの問題を使って教えてくれる先生を選びますね。ちょっと遠回りした感があります。

では、基礎事項習得の具体的なやり方を見ていきましょう。

3.3 分野毎に、物理現象と立式パターンを習得していく

分野毎に区切って問題を習得していきましょう。

網羅型の問題集を使って、計算パターンや基本的な解法パターンを習得します。さらにその問題集が「簡単な例題から入試基礎レベルの問題までスムーズに接続できる」ようになっていると良いです。

まず1周目ですが、数学と同じで、理解に徹するだけでいいです。問題文を読み、解けそうだったら解いていいんですが、解けなさそうであれば即解答を見ます。スピード重視でどんどん問題の解き方を追っていきましょう。

さらに、解説授業があればさらに効率が上がります(予備校の利点はそこです)。

次に、復習作業についてです。

3.4 「瞬殺できる」状態になるまで繰り返す

2周目以降は、問題が解けるかどうかチェックしていきます。基礎事項や公式を忘れていたら、基礎事項をもう一度チェックします。今度は解答を見ずに問題を解いていき、解けたら○、ダメだったら×、と印をつけていきましょう。×の問題は解答を見て理解し直します。

3周目は、×の問題をチェックしていきます。解けなかったらもう一個×を追記。そうして4周目、5週目と繰り返していき、すべて○になったらOKです。次の範囲に進みます。

なお、問題集をやりきったかどうかの基準の基準とは「すべての問題を瞬殺できるかどうか」です。問題文を読み、すぐさま立式ができるかどうか、ごまかさずに丁寧にやっていきましょう。

4 第二段階:解法パターン網羅の具体的な進め方

基本問題をマスターしたら、次は本格的な入試問題に触れていきます。

4.1 解法パターン網羅に適した参考書とは?

解法パターンを網羅するため教材は、以下のポイントを押さえたものが良いです。

  • 典型的な解法を網羅できる
  • 適度な計算を求められる
  • 応用範囲の広い解法を身に付けられる

この3つの条件を満たすのが「良質な問題集」です。

また、これら3つの条件にプラスして「なぜそう解くのか?をきちんと説明する解説授業がある」というのが理想的です。参考書だけで学習する場合は、自力で解説を読み解かなければいけません。(そしてそれはやればできますが、スピードの問題で授業があった方が有利です)

市販の参考書でオススメのものは「東大塾長が超厳選した物理おすすめ参考書5選と勉強法」に書いたので、ぜひご覧ください。

4.2 質の高い授業の重要性と、解法の必然性について

解法パターンを学習する際に最も重要なことは「なぜ、この問題をこのように解くのが自然なのか?」という解法の必然性を理解することです。

数学と物理の違いは、「この物理現象は、こういう立式をする」というのがかなりパターン化されています。

ですが、物理の点数が伸びない人が良くやりがちな間違いが、「必然性を気にせず解答をただなぞって、それを真似しようとすること」です。これは偏差値の上がらない泥沼にはまります。

「現象理解と着眼点、立式パターンを整理整頓してきちんと説明してくれるような授業」が、難関大を目指す高校生にとって望ましい授業です。

たとえばこの問題。解けるかチャレンジしてみてください。

これらの問題の解説授業が見たい方は、僕(山田)のLINEをフォローしてください。無料で解説授業を配布しています。配布している授業は、すべて僕が塾で行っているもの。

見たら分かりますが、独学でこのレベルの学習は厳しいことがきっとわかるかと思います。
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では次に、問題集(あるいは予備校テキスト)のやり方についてです。

「力学」「波動」「熱力学」「電磁気」「原子」の分野毎に次の要領で完成させていきましょう。

4.3 1周目:まずは理解に徹する

問題集1周目は「問題を読む→すぐさま授業or解説を読み、理解する」という流れでよいです。いきなり問題と格闘できそうならいいのですが、おそらくそうはいかないからです。

独学で勉強する際のコツは、「なぜこの公式を使うのか?」「この現象に対して、なぜこの手順で考えるのか?」その必然性を納得いくまで考えることです。ただ解答を見て、「そうか~こうしたら解けるのか~」で解答の流れを覚えようとしても、あまり実力は尽きません。物理現象と解法の必然性を考える、これを意識しましょう。

模範解答の必然性が理解できたら、解答を写経します。自分で取ったノートは2周目の勉強に使います。

4.4 2周目:ノートを見返すだけでよい

2周目は、問題文を読み、ノートを見返します。「なぜこの公式をつかうのか?」を思い出しながら、20題~30題を1日とか2日で一気に復習します。

こうする理由は、勉強スピードを極限まで高めるためです。1周目できちんと理解できても、2周目では解けない問題が多いはずです。難関大合格者でもそんなものなので、へこむ必要はありません。最速で復習を済ませるために、ノート見返しで2回目の復習を済ませます。

4.5 3周目:手を動かしていく

3周目あたりから、問題に手を出していきましょう。「この現象には、この公式を持ち出す」というのを意識すると手が動きやすいです。

3周目でも、解法が出てこなければ即ノートを見返してOKです。もう一度「その解法・公式の必然性」を確認しなおします。解けなかった問題には×印を付けておき、4周目にまたトライします。

4.6 4周目以降;“瞬殺できる”まで反復せよ!

3周目で×印のついた問題に対して、解けるかどうかを繰り返しチェックしていきます。「この現象は、あのアプローチでいける!」というのが瞬間的に出てくるようになるまで、何度も繰り返します。

「なんだか問題を暗記しちゃったようで、ちゃんと解けているのかどうかわからない…」という不安がよぎる人もいるかもしれませんが、安心してください。それで大丈夫です。

というのも、参考書やり込みの目的は「典型的な物理現象をイメージできるようになり、公式運用の型を覚えること」です。現象に対する解法の必然性が伴っていれば、覚えてしまってOKです。

問題と格闘するのは次の「実力養成演習」段階で行います。

5 第三段階:実力養成演習の具体的な進め方

「物理のエッセンス」で基本公式と例題をマスターしました。

「良問の風」「物理標準問題精講」で物理現象の典型パターンと公式運用の型を覚えました。

最後の仕上げとして、「初見の問題が解ける」ようになるためのトレーニングをしていきます。

5.1 素材は大学過去問や模試過去問

仕上げの素材は過去問を使用しましょう。第一志望校だけの過去問だと、消費しきってしまって問題不足に陥りがちなので「各大学模試の過去問」や「同レベルの大学の過去問」も使用します。

取り組み方は2段階に分けて取り組みます。

【初期段階】
まずは3年分を、時間制限なしで、解答は見ないようにして徹底的に考えてください。
思考のコツとしては、「この物理現象に対して適用する公式はなんだっけ?」と考えることです。何か1手だけでも手を出してみましょう。
「もうこれ以上無理!」となったら、やっと解答を見ます。自分の考えた跡と比べて、改善点を見つけ、解答を写経して反省します。笑

【3年分やった後】
過去問3年分で徹底的に考え抜いた後は、今度は「時間を測って」解きます。制限時間に解答を紡ぎだす訓練です。
流れとしては
「時間を測って解く」
→「模範解答を確認し、自分の解答を採点する」
→「こう解けばよかったという改善点を明確にし、模範解答を写経する」
という感じです。

「過去問は何年分解けばいいんですか?」という質問をよく受けますが、これが最後の話です。

5.2 「安定して7~8割取れる」が受験勉強終了の基準!

受験の合否はトータルで考えるものですが、物理で欲しい得点率の目安を示しておきます。その目安は「安定して8割をとれる」状態です。

というのも、その中で物理という科目は、ハイレベルで安定させやすい科目、稼ぎ頭にしたい科目だからです。難関大の場合、得点率ボーダーラインは総合点で6割程度。理科2科目で8割取れる状態にしておくと、例えば「数学でやらかしても怖くない」みたいな安定感が得られます。英語の点数も安定しやすいので、理科2科目を稼ぎどころにしたいですね。

6 おわりに

以上が「難関大合格を手中に収める物理勉強法」のすべてです。

今回の記事が、難関大を目指している優秀なみなさんの一助になることを願っています。

それでは、受験勉強頑張ってください!

3 件のコメント

  • 東大理科Ⅲ類志望のものです。
    物理の目標点は50/60です。
    重要問題集 + 標準問題精講 + 過去問のみ
    で達成することは理論的に可能でしょうか?

    • 〜の問題集やったら50点到達出来るかどうかという質問は脳死すぎませんか?
      しっかり調べたらわかるような事をわざわざ質問しない方が良いですよ

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