ラウールの法則まとめ(証明と凝固点降下)

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東大塾長の山田です。

このページではラウールの法則について解説しています。

ここでは、理解しやすくするため自分で式を導き出せるように説明しています。是非参考にしてください。

1. ラウールの法則

蒸気圧降下、沸点上昇、凝固点降下などについては「沸点上昇と凝固点降下」の記事で解説しました。ここでは、蒸気圧降下がどのくらい起こるかを求める法則を説明します。

まず、2種類以上の成分が混ざった混合溶液の蒸気圧がどうなるか考えてみましょう。

混合溶液の蒸気圧は次のような式で表すことができます。

ラウールの法則

\[P=\frac{n_A}{n_A+n_B}P_A+\frac{n_B}{n_A+n_B}P_B\]

蒸気圧の全圧を\(P\)、物質Aの飽和蒸気圧、物質量をそれぞれ\(P_A\)、\(n_A\)、物質Bの飽和蒸気圧、物質量をそれぞれ\(P_B\)、\(n_B\)とする。

上の式のように蒸気圧の全圧が、(各成分の飽和蒸気圧)×(各成分のモル分率)の和、で表すことができる法則のことをラウールの法則といいます。

 

ラウールの法則をもとに二種類の物質を混合した場合で、一方を揮発性の溶媒、もう一方を不揮発性の溶質であるときの蒸気圧を考えてみましょう。(例えば、溶媒が水、不揮発性の溶質が食塩である食塩水)

溶媒の分圧\(P_A\)は\(P_A=\frac{n_A}{n_A+n_B}P_{A0}\)、溶質の分圧\(P_B\)は\(P_B=\frac{n_A}{n_A+n_B}P_{B0}\)と表せます。(ここで、\(n_A\)、\(n_B\)はそれぞれ溶媒、溶質の物質量、\(P_{A0}\)、\(P_{B0}\)はそれぞれ溶媒、溶質の飽和蒸気圧とします。)

このとき、溶質は不揮発性であるから\(P_{B0}=0\)より、\(P_{B}=0\)となります。

したがって、この溶液の蒸気圧\(P\)は\(P=P_A+P_B=\frac{n_A}{n_A+n_B}P_{A0}\)となります。

これより、溶質を溶かしたときの純溶媒の蒸気圧降下\(\Delta p\)は

\[\Delta p=P_{A0}-P=P_{A0}-\frac{n_A}{n_A+n_B}P_{A0}=\frac{n_B}{n_A+n_B}P_{A0}\]

とわかります。

ここで、高校化学では希薄溶液(濃度が薄い溶液)しか取り扱わないので、\(n_A+n_B≒n_A\)と近似できます。これより、\(\Delta p=\frac{n_B}{n_A}P_{A0}\)とできます。

また、溶媒の質量を\(W_0〔g〕\)、溶媒のモル質量を\(M_0〔g〕\)、この溶液の質量モル濃度を\(m〔mol/kg〕\)とすると、

\(n_A〔mol〕=\frac{W_0〔g〕}{M_0〔g/mol〕}\)、\(m〔mol/kg〕=\frac{n_B〔mol〕}{\frac{W_0}{1000}〔kg〕}=\frac{1000n_B}{W_0}\)

となります。これらを\(\Delta p\)を表す式に代入すると

\[\Delta p=\frac{M_0P_{A0}}{1000}m\]

となり、\(M_0\)、\(P_{A0}\)は溶媒に固有な定数であるので、蒸気圧降下\(\Delta p\)は溶質の種類によらず、溶液の質量モル濃度に比例することがわかります。

 

 

上の図もラウールの法則を表した図です。

 

2. まとめ

最後にラウールの法則についてまとめておこうと思います。

  • \[P=\frac{n_A}{n_A+n_B}P_A+\frac{n_B}{n_A+n_B}P_B\](蒸気圧の全圧を\(P\)、物質Aの飽和蒸気圧、物質量をそれぞれ\(P_A\)、\(n_A\)、物質Bの飽和蒸気圧、物質量をそれぞれ\(P_B\)、\(n_B\)とする。)

  • 上の式のように蒸気圧の全圧が、(各成分の飽和蒸気圧)×(各成分のモル分率)の和、で表すことができる法則のことをラウールの法則という。

 

ラウールの法則は問題等で出てくることは少ないですが、出題されたときに取りこぼさないようにしっかりマスターしてください!

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