東大塾長の山田です。
このページでは、「高校物理の電磁気の公式」をすべてまとめてあります。
(該当記事がある場合)それぞれの公式を詳しく説明した記事へのリンクが貼ってあります。
それぞれの解説記事も併せて読むことで、さらなる理解につながるので、そちらもぜひ参考にしてください!
電磁気公式まとめ
クーロンの法則
荷電粒子間に働く力(静電気力)についての法則です。
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クーロン則:\(F=k_0\displaystyle\frac{Q_A Q_B}{r^2}\)
位置エネルギー:\(U=k\displaystyle\frac{Q_A Q_B}{r}\)
エネルギー保存則:\(\displaystyle\frac{1}{2}mv^2+k\displaystyle\frac{Q_A Q_B}{x}=const.\)
ガウスの法則
電場や電位を理解するためには必須の分野です。電気力線についても詳しくまとめてあります。
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電気力線の性質
①正電荷からわきだし、負電荷に吸収される。
②接線の向き⇒電場の向き
③垂直な面を単位面積あたりに貫く本数⇒電場の強さ
④電荷\(Q\)から、\(\displaystyle\frac{\left|Q\right |}{ε_0}\)本出入りする。
*\(ε_0\)とクーロン則における比例定数kとの間には、\(k=\displaystyle\frac{1}{4\pi ε_0}\)が成立する。
ガウスの法則
\[[閉曲面を貫く電気力線の全本数]=\displaystyle\frac{[内部の全電荷]}{ε_0}\]
電場と電位の公式
正電場にある荷電粒子にかかる力とエネルギーである電場・電位、電磁気全分野で出てくる概念です。
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単位電荷を想定して、
\[\left\{\begin{array}{l}受ける力⇒電場{\vec{E}} \\ 生じる位置エネルギー⇒電位{\phi}\end{array}\right.\]
電場について
電場\(\vec{E}\)中で電荷\(q\)に働く力:\(\vec{F}=q\vec{E}\)
点電荷の電場:\(\vec{E}=k\displaystyle\frac{Q}{r^2}\)
電位について
電位\(\phi\)で電荷\(q\)が持つ位置エネルギー:\(U=q\phi\)
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ある点の電位とは、基準点からその点まで電荷をゆっくりと運ぶために、外力が単位電荷あたりにしなければいけない仕事のこと。
エネルギー保存則:\(\displaystyle\frac{1}{2}mv^2+qV=\rm{const.}\)
電位差:\(V=Ed\)
点電荷の電位:\(\phi=k\displaystyle\frac{Q}{r}\)(無限遠基準)
等電位線の性質:(等電位線)⊥(電場)
コンデンサーの公式
そもそもコンデンサーとは何なのか、という点から詳しくまとめています。
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コンデンサーの一般系
\[\left\{\begin{array}{l}{Q_{1}=C_{12}(\phi_1 -\phi_2)+C_{13}(\phi_1 -\phi_3)} \\ {Q_{2}=C_{21}(\phi_2 -\phi_1)+C_{23}(\phi_2 -\phi_3)} \\ {Q_{3}=C_{31}(\phi_3 -\phi_1)+C_{32}(\phi_3 -\phi_2)}\end{array}\right.\]
平行平板コンデンサー
合成電場:\(E=\displaystyle\frac{Q}{\varepsilon_0 S}\)
電位差:\(V=Ed=\displaystyle\frac{Q}{\varepsilon_0 S} d\)
関係式:\(Q=\varepsilon_0 \displaystyle\frac{S}{d}\cdot V≡CV\)
極板間引力:\(F=\displaystyle\frac{Q^2}{2\varepsilon_0 S}=\displaystyle\frac{1}{2}QE\)
電荷保存則:孤立部分の電荷の合計は保存される。
合成容量
直列:\(\displaystyle\frac{1}{C}=\sum_{i} \frac{1}{C_{i}}\)
並列:\(C=\sum_{i} C_{i}\)
極板間への挿入
・誘電体(導体)が挿入された場合は、並列・直列にコンデンサーを分解して考えるとやりやすい。
・挿入されたのが導体の場合、導線として扱うことができ、極板間隔を減らす効果がある。
静電エネルギー
\[\displaystyle\frac{1}{2}CV^2= \displaystyle\frac{1}{2}QV=\displaystyle\frac{Q^2}{2C}\]
静電エネルギーの公式
静電エネルギーの定義から導出、回路問題におけるエネルギー収支についてもまとめています。
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静電エネルギー:\(\displaystyle\frac{1}{2}CV^2= \displaystyle\frac{1}{2}QV=\displaystyle\frac{Q^2}{2C}\)
エネルギー収支:\([電池のした仕事]+[外力の仕事]=[静電エネルギーの変化]+[ジュール熱]\)
電流と抵抗の公式・電子モデル
回路要素である抵抗について、電流の電子モデルを用いて議論することで、性質をかみ砕いていきます。
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電流:\(I=enSv\)
オームの法則:\(V=\displaystyle\frac{kl}{e^2 nS}\times I(⇔V=RI)\)
抵抗:\(R=\displaystyle\frac{k}{e^2 n}\cdot\displaystyle\frac{l}{S}≡\rho\displaystyle\frac{l}{S}\)(\(\rho\)は抵抗率)
消費電力:\(P=\frac{V^{2}}{R}=I V=R I^{2}\)
キルヒホッフ則
キルヒホッフ則についての詳しい説明から、問題を解くときのコツについてもまとめてあります。
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第一法則
回路が枝分かれしている点では、流入電流(電気量)と流出電流(流出)は等しい。
\[\displaystyle\sum_{流入}I_i=\displaystyle\sum_{流出}I’_{i}\]
第二法則
\[\displaystyle\sum_{閉回路}(起電圧)=\displaystyle\sum_{閉回路}(電圧降下)\]
言い換えると、
閉回路上の任意の二点間において、電位差はどの経路をたどっても一位に定まる。
電流計
計測可能な値以上の電流を測るにはどのようにすればよいのでしょうか?
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電流計:電磁力を用いて電流を測定する装置。
つなぎ方:直列
分流器:\(R=\displaystyle\frac{r_A}{n-1}\)
電圧計
計測可能な値以上の電圧を測るにはどのようにすればよいのでしょうか?
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電圧計:電磁力を用いて電圧を測定する装置、電流計に抵抗値の大きい抵抗を入れることで作られる。
つなぎ方:並列
倍率器:\(R=(n-1)r_v\)
ジュール熱の公式
ジュール熱と消費電力の違い分かりますか?定義から確認していきましょう。
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抵抗\(R\)[Ω]の物体に、\(I\)[A]の電流を\(t\)秒間流したときに発生するジュール熱\(Q\)[J]は、
\[Q=RI^2t\]
これはオームの法則\(V=RI\)を用いることで、以下のように表記することもできる。
\[Q=RI^2t=VIt=\displaystyle\frac{V^2}{R}t\]
消費電力\(P\)[W]:単位時間当たりのジュール熱
\[P==RI^2=VI=\displaystyle\frac{V^2}{R}\]
磁場と磁束密度の公式
電磁気の磁気分野です。まず磁場と磁束密度について理解しないと何も始まりません。しっかりと理解していきましょう。
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磁気に関するクーロン則:\(F=k_m\displaystyle\frac{m_1 m_2}{r^2}\)
ただし、\(μ\)は透磁率
磁場\(\vec{H}\):ある場所において1Wbの磁極が受ける力の大きさのことで、向きはその場所においてN極を置いた時に受ける力の向きに等しい。単位は\([\rm{N/Wb}]\)。
磁束密度\(\vec{B}\):単位面積当たりの磁束の強さ⇔単位長さ当たりの導線が、単位電流あたりに受ける力の大きさのこと。単位は、\([\rm{T}]=[\rm{Wb/m^2}]\)
関係式:\(\vec{B}=μ \vec{H}\)
電流が作る磁場公式
①直線電流
大きさ:\(H(r)=\displaystyle\frac{I}{2\pi r}\)
向き:\(I\)に垂直な面内で\(I\)に対して右回り(\(I\)の向きに右ねじを回す向き)
②円形電流
大きさ:\(H(r)=\displaystyle\frac{I}{2r}\)
向き:\(I\)に垂直な面内で\(I\)に対して右回り(\(I\)の向きに右ねじを回す向き)
③ソレノイド
大きさ:\(H=nI\)
向き:軸に平行で電流に対して右ねじの向き
磁場が与える力
ローレンツ力:\(\vec{F_L}=q\vec{v}\times\vec{B}\)
電磁力:\(\vec{F}=\vec{I}\times\vec{B}\times\Delta l\)
ローレンツ力の公式
磁場が荷電粒子に与える影響は?何が起こるか確認しましょう。
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ローレンツ力の定義:\(\vec{F_L}=q\vec{v}\times\vec{B}\)
大きさ:\(\left|F_L\right|=q\left|\vec{v}\right|\left|\vec{B}\right|\sin\theta\)
向き:\(\vec{v}\)と\(\vec{B}\)を含む面に垂直で、\(\vec{v}\)から\(\vec{B}\)に右ねじを回してねじの進む向き
ただし、\(q<0\)の場合は向きは逆になる。
式からわかること、、
①速度の向きと、磁場の向きが平行の場合、ローレンツ力は働かない。
②\(\vec{F_L}⊥\vec{v}\)である。
③\(\vec{F_L}⊥\vec{B}\)である。
磁場中の電荷の運動について
⇒\(\vec{B}\)方向の成分と\(\vec{B}\)に垂直な面内の成分に分けて追跡すると良い。
電磁力の公式
磁場が電流に与える影響は?ローレンツ力の議論を発展させて確かめてみましょう。
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電磁力:磁界と電流の相互作用で発生した力のこと
ローレンツ力:荷電粒子が磁束密度から受ける力のこと。
表記:\(\vec{F_L}=q\vec{v}\times\vec{B}\)
大きさ:\(\left|F_L\right|=q\left|\vec{v}\right|\left|\vec{B}\right|\sin\theta\)
向き:\(\vec{v}\)と\(\vec{B}\)を含む面に垂直で、\(\vec{v}\)から\(\vec{B}\)に右ねじを回してねじの進む向き
電磁力(アンペール力、フレミング左手の法則の力):電流が磁束密度から受ける力のこと
表記:\(\vec{F}=\vec{I}\times\vec{B}\times\Delta l\)
大きさ:\(\left|F\right|=\left|\vec{I}\right|\left|\vec{B}\right|l\sin\theta\)
向き:\(\vec{I}\)と\(\vec{B}\)を含む面に垂直で、\(\vec{I}\)から\(\vec{B}\)に右ねじを回してねじの進む向き
フレミング左手の法則:力の向きの決定方法の一つ
ローレンツ力の場合
電磁力(アンペール力、フレミング左手の法則の力)の場合
電磁誘導の公式
電磁誘導によりどのような現象が起こるのか、またその現象を利用した「コイル」についても詳しく見ていきましょう。
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磁束と磁束密度:\(\phi=BS\cos\theta\)
ファラデーの法則:\(V_{emf}=-\displaystyle\frac{d\phi}{dt}\)
ただしこの式には、誘導起電力の向きは、「磁束の変化を妨げる向き」である、というレンツの法則の表れでもある。
コイルの自己誘導:\(V_{emf}=-L\displaystyle\frac{dI}{dt}\)
コイルの相互誘導:\(V_{emf}=-M\displaystyle\frac{dI}{dt}\)
端子電圧の大きさは、コイルの「巻き数」に比例する。
交流理論の公式
多くの人が躓く交流理論。普段暗記させられていることも覚えなくてよいかもしれません。確認してみましょう!
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実効値:\(I_e=\displaystyle\frac{I_0}{\sqrt{2}},\quad V_e=\displaystyle\frac{V_0}{\sqrt{2}}\)
以下交流電源の電圧を\(V=V_0\sin\omega t\)とする。
抵抗を流れる交流
\[I_R=I_0\sin\omega t\]
コイルを流れる交流
\[I_L=I_0\sin(\omega t-\displaystyle\frac{\pi}{2})\]
コンデンサーを流れる交流
\[I_C=I_0\sin(\omega t+\displaystyle\frac{\pi}{2})\]
RLC並列回路
インピーダンス:\(Z_{並}=\displaystyle\frac{V_{eff}}{I_{eff}}=\displaystyle\frac{1}{\sqrt{\left(\displaystyle\frac{1}{R}\right)^{2}+\left(w C-\displaystyle\frac{1}{\omega L}\right)^{2}}}\)
RLC直列回路
インピーダンス:\(Z_直=\sqrt{R^{2}+\left(\omega L-\displaystyle\frac{1}{\omega C} \right)^2}\)
どちらの回路においても、電力は抵抗だけで消費される!
以上です!勉強に役立ててください!
私立文系にもわかりやすく汗汗
めっちゃくちゃわかりやすい!
電気系の試験があるので助かってます笑笑
円形電流のところの磁場の向きが逆のように思うのですが、間違っていたらすいません