両性元素とは(覚え方)

東大塾長の山田です。

このページでは両性元素について解説しています。

語呂合わせも載せているので、是非参考にしてください。

1. 両性元素

単体が酸の水溶液にも強塩基の水溶液にも反応し、それぞれの塩を作る元素のことを両性元素といいます。

高校化学では次の4種類の両性元素を覚えてください!

両性元素

\(Al\)、\(Zn\)、\(Sn\)、\(Pb\)

語呂合わせ‥‥ああすんなり

あ(\(Al\))あ(\(Zn\))すん(\(Sn\))なり(\(Pb\)

語呂合わせも参考にしてください。

 

2. 両性元素の反応

1で紹介した4つの両性元素は単体だけでなく、酸化物、水酸化物も酸・塩基と反応します。

ここでは、\(Al\)を例に単体、酸化物、水酸化物それぞれの酸・塩基との反応を説明します。

2.1 単体

両性元素の単体は、酸・塩基のどちらと反応しても水素\(H_2\)を発生します。

【酸との反応】

両性元素の単体は、酸と反応して水素\(H_2\)を発生します。

\(2Al + 6HCl →2AlCl_3 + 3H_2\)

 

【塩基との反応】

両性元素の単体は、塩基と反応して水素\(H_2\)を発生します。

\(2Al + 2NaOH + 6H_2O →2Na[Al(OH)_4] + 3H_2\)

 

 

2.2 酸化物

【酸との反応】

\(Al_2O_3 + 6HCl →2AlCl_3 + 3H_2O\)

 

【塩基との反応】

\(Al_2O_3 + 2NaOH + 3H_2O →2Na[Al(OH)_4]\)

 

2.3 水酸化物

【酸との反応】

\(Al(OH)_3 + 3HCl →AlCl_3 + 3H_2O\)

 

【塩基との反応】

\(Al(OH)_3 + NaOH →Na[Al(OH)_4]\)

 

これらの反応を見てわかるように、両性元素は単体、酸化物、水酸化物どれであっても酸と反応するときは陽イオンとなり、塩基と反応するときは錯イオンになります。

また、単体が酸・塩基と反応するときは水素を発生し、酸化物、水酸化物が酸・塩基と反応するときは水を生成します。

 

3. 各元素の性質

ここでは、各元素の性質や反応などについて説明したいと思います。

3.1 アルミニウム\(Al\)

3.1.1 アルミニウムの性質

アルミニウムの単体は原料鉱石のボーキサイトを精製して得られる酸化アルミニウムを氷晶石\(Na_3AlF_6\)とともに融解塩電解することによって得ることができます。(融解塩電解については、「電気分解とは(陽極陰極の区別・電極の場合分け・装置・水や水素の例))」の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。)

ボーキサイトの主成分は酸化アルミニウムの水和物です。

このようにして得られたアルミニウムの単体は銀白色の柔らかい軽金属で、展性、延性があります。また、密度が他の金属に比べ小さいので非常に軽く、電気をよく通します。そのため、送電線などに使われます。

アルミニウムと銅やマグネシウムを混ぜた合金をジュラルミンといいます。これは、軽くて強度が大きいので飛行機の機体に使われることが多いです。

アルミニウムは濃硝酸の中に入れると、表面に酸化被膜が生じるため溶けることができなくなります。このような状態のことを不動態といいます。不動態になる金属はアルミニウムの他に、「\(Fe\)、\(Ni\)、\(Cr\)、\(Co\)」があります。

 

3.1.2 酸化アルミニウム

酸化アルミニウムはアルミナと呼ばれ、両性酸化物です。

アルミナはボーキサイトの精製の他に、アルミニウム単体を空気中で強熱することで光と熱を発生し激しく燃焼することでできます。

\(4Al + 3O_2 →2Al_2O_3\)

 

また、アルミニウムの表面を人工的に酸化させて内部を保護するように不動態化させたものをアルマイトといいます。

\(Al_2O_3\)にクロムが微量に含まれたものは美しい赤色を示し、ルビーといいます。また、\(Al_2O_3\)に鉄やチタンが微量に含まれたものは青色を示すものが多く、サファイアといいます。

 

3.1.3 複塩

硫酸アルミニウムと硫酸カリウムの混合水溶液を濃縮(または冷却)すると無色透明な正八面体の結晶ができます。この結晶をミョウバンといいます。ミョウバンの化学式は次のようになります。

\(AlK(SO_4)_2・12H_2O:硫酸カリウムアルミニウム十二水和物\)

これは、硫酸カリウムと硫酸アルミニウムの2種類の塩が組み合わさってできたもので、このように2種類の塩からできている塩のことを複塩といいます。

 

3.1.4 テルミット反応

アルミニウムはイオン化傾向が大きいため酸化されやすいです。そのため、\(Fe_2O_3\)とアルミニウムの粉末を混合したものに点火すると、アルミニウムが\(Fe_2O_3\)を還元し、激しい光と熱を発生して融解した鉄が生成する反応が起こります。この反応のことをテルミット反応といいます。

\(2Al + Fe_2O_3 →Al_2O_3 + 2Fe\)

 

3.2 亜鉛\(Zn\)

亜鉛の単体は青みを帯びた白色金属で比較的融点は低いです。

硫化亜鉛\(ZnS\)は天然い閃亜鉛鉱やウルツ鉱として存在していて、蛍光塗料や白色顔料などに用いられます。

また、鉄の表面を亜鉛で覆ったものをトタンといいます。(トタンについては、「イオン傾向とは(覚え方・電池・金属と腐食・大きさの表)」の記事で詳しく解説しているので是非参考にしてください。)

 

3.3 スズ\(Sn\)

スズの単体は銀白色で融点は比較的低くなります。スズは酸化数が\(+2\)と\(+4\)の化合物を作りますが、\(+4\)の酸化数の方が安定であるので塩化スズ(Ⅱ)\(SnCl_2\)は強い還元性を示します。

また、鉄の表面をスズでメッキしたものをブリキといいます。(ブリキについては、「イオン傾向とは(覚え方・電池・金属と腐食・大きさの表)」の記事で詳しく解説しているので是非参考にしてください。)

 

3.4 鉛\(Pb\)

鉛の単体は青灰色の金属で柔らかく、融点は比較的低いので加工しやすいです。しかし、密度は大きくなります。

鉛は両性元素であるので酸・塩基どちらとも反応して水素を発生しますが、酸の中で、硝酸には溶けますが、希塩酸や希硫酸とは鉛の表面に不溶の\(PbCl_2\)や\(PbSO_4\)の薄い塩の膜を形成するためすぐに反応が止まります。

鉛は酸化数が\(+2\)と\(+4\)の化合物を作れますが、\(+2\)の酸化数の方が安定であるので酸化鉛(Ⅳ)\(PbO_2\)は酸化作用を示します。

また、鉛の単体は放射線を遮ります。

鉛は鉛蓄電池に用いられますが、鉛蓄電池については「鉛蓄電池の原理・仕組み(充電と放電の反応式・仕組み・電圧と寿命)」の記事で詳しく解説しているので是非参考にしてください。

 

4. まとめ

最後に両性元素についてまとめておこうと思います。

両性元素

両性元素‥単体が酸の水溶液にも強塩基の水溶液にも反応し、それぞれの塩を作る元素

両性元素→\(Al\)、\(Zn\)、\(Sn\)、\(Pb\)

語呂合わせ‥‥あ(\(Al\))あ(\(Zn\))すん(\(Sn\))なり(\(Pb\)

 

両性元素は数が少ないので確実に覚えるようにしましょう!

特に、アルミニウムは特徴的な性質が多くあるのでしっかり理解しましょう。

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