原子構造と電子配置・価電子

東大塾長の山田です。
このページでは、「原子構造と電子配置・価電子」について解説しています

  • 「電子殻って何?」
  • 「電子配置って何?」
  • 「電子配置ってどうやって書くの?」
  • 「最外殻電子と価電子の違いは?」

といった疑問がすべて解決できるように、すべて解説しています。

ぜひ、参考にしてください!

1. 電子殻とは?

原子の中にある電子は原子核のまわりにいくつかの層に分かれて存在しています。

この層のことを電子殻といいます。

電子殻は内側から順に、K殻、L殻、M殻、N殻と呼びます。


それぞれの電子殻に入れることができる電子の数は決まっていて、K殻は2個、L殻は8個、M殻は18個、N殻は32個となります。

これを一般式で表すと\(\rm 2n^2\)個となります。(K殻ならn=1、L殻ならn=2‥‥というように考えます)

2. 電子配置

2.1 電子配置とは?

電子が電子殻に入るとき、その入り方には規則性があります。この規則性のことを電子配置と言います。

1で説明したように原子番号が大きくなるにつれて原子殻の周りの電子数も多くなっていきます。

電子は普通内側にある電子殻(K殻)から順に入っていきます。

内側から入った電子が電子殻の収容できる数を超えるとその外側の電子殻に入っていきます。

2.2 電子配置の書き方

ここでは、電子配置の書き方の手順を\({\rm Na}\)で説明したいと思います。

\({\rm Na}\)が持つ電子の数は11個です。

 

①まず、最も内側のK殻に電子が2つ入ります。

②次に、L殻に電子が8個入ります。

 

③最後に、M殻に1個電子が入ります。

これで、\({\rm Na}\)が持つ電子11個がすべて収まったので完成です。

 

原子番号が1の\({\rm H}\)から18の\({\rm Ar}\)まではこのやり方で電子配置を書くことができます。

しかし、これ以降の元素は少しやり方が違います。

原子番号19の\({\rm K}\)は電子を19個持ちます。このとき、上のやり方でやるとK殻に2個、L殻に8個、M殻に9個入れると考えると思います。

しかし、最外殻電子の数が8個を超えてはいけません。

よって、これを満たすようにカリウムの電子配置はを書くと、K殻に2個、L殻に8個、M殻に8個、N殻に1個となります。

 

2.3 遷移元素の電子配置

周期表の第4周期から現れる3族~11族までの元素を遷移元素と呼びます。(ちなみに、それ以外の元素を典型元素と呼びます。典型元素と遷移元素については「周期表と覚え方(原子量・語呂合わせ)」の記事で詳しく解説しているのでそちらを参照してください。)

上で説明した通りに電子配置を書くと内側から順に電子を書いていくのでしたね。

しかし、遷移元素はこのルールに従っていません。

原子番号 元素 K殻 L殻 M殻 N殻
21 \({\rm Sr}\)

9

2
22 \({\rm Ti}\) 10 2
23 \({\rm V}\) 11 2
24 \({\rm Cr}\) 13 1
25 \({\rm Mn}\) 13 2
26 \({\rm Fe}\) 14 2
27 \({\rm Co}\) 15 2
28 \({\rm Ni}\) 16 2
29 \({\rm Cu}\) 18 1
30 \({\rm Zn}\) 18 2

遷移元素の電子配置は上の表のようになります。

3で説明しますが、価電子は原子の性質を決めるものであり遷移元素では価電子がほとんど同じであるため、遷移元素は似たような性質を示します。

なぜ上のルールに従わないのかは大学の範囲なので、このようになるとだけ知っておきましょう。

3. 最外殻電子と価電子

3.1 最外殻電子とは?

最外殻電子とは最も外側の電子殻にある電子のことを言います。

水素の場合、上の図のようにK殻に電子が1個存在しています。このときK殻が最外殻となり、最外殻電子は1個となります。

また、フッ素の場合、上の図のようにK殻に2個、L殻に7個電子が存在しています。このときの最外殻はL殻となるので、最外殻電子は7個となります。

3.2 価電子とは?

反応に使われる、原子の性質を決める電子のことを価電子と言います。

原子の持つ電子の中で他原子との反応に使われるのは最外殻にある電子であり、ほとんどの場合、価電子の数=最外殻電子の数となります。

3.3 価電子の数=最外殻電子の数とならないものは?

2.2でほとんどの場合、価電子の数=最外殻電子の数となると説明しました。

しかし、これには例外が存在して、価電子の数=最外殻電子の数とならない原子が存在するのです。

その原子とは、18族の希ガスです!

希ガスの原子の最外殻電子の数は、\({\rm He}\)が2個、それ以外の原子が8個となります。

最外殻にある電子の数が8個(K殻の場合は2個)となる電子殻のことを閉殻と言います。

原子は最外殻が閉殻となるとき、最も安定となります。そのため、最外殻がすでに閉殻となっているとき、外に電子を出したり、外から電子を受け取ったりしません。

これより、希ガスの最外殻電子の数は8個となる。一方、希ガスの最外殻電子は反応しないので価電子の数は0個となり最外殻電子の数と価電子の数が異なることがわかります。

4. 電子配置のまとめ

最後に、この記事で説明したことをまとめておこうと思います。

 

  • 原子の中にある電子は原子核のまわりにいくつかの層に分かれて存在している。この層のことを電子殻という。

  • 電子殻は内側から、K殻、L殻、N殻、M殻という。
  • それぞれの電子殻に入ることができる電子の数は、\(\rm 2n^2\)個である。(K殻ならn=1、L殻ならn=2‥‥と考える。)
  • 電子が電子殻に入るとき、その入り方には規則性がある。この規則性のことを電子配置と言う。
  • 規則性①‥電子は普通内側にある電子殻(K殻)から順に入る。内側から入った電子が電子殻の収容できる数を超えるとその外側の電子殻に入る。
  • 規則性②‥最外殻電子の数が8個を超えてはいけない。
  • 遷移元素はこの規則性に従わない。
  • 最も外側の電子殻にある電子のことを最外殻電子と言う。
  • 反応に使われる、原子の性質を決める電子のことを価電子と言う。
  • 最外殻にある電子の数が8個(K殻の場合は2個)となる電子殻のことを閉殻と言う。
  • ほとんどの場合、最外殻電子の数=価電子の数となるが、希ガスは閉殻であるため最外殻電子の数が8個、価電子の数が0個となる。

 

以上が電子配置に関する解説です。

しっかりマスターしましょう!

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