摩擦力の公式まとめ

東大塾長の山田です。

このページでは、摩擦運動について正確に理解できるようについて説明しています。ぜひ参考にしてください!

1. 摩擦力について

まずは、摩擦力についてしっかりと理解しましょう。

1.1 そもそも摩擦力とは?

摩擦力の意味は、物体が他の物体と摩擦しながら運動しようとするとき ,または運動中に ,接触面から働く面に沿った抵抗力のことです。

つまりは運動を妨げる方向に働く力、というイメージをもっておくと良いでしょう!

また、摩擦力は床面に押し付ける力が強ければ強いほど大きくなります。

これについても式を用いて理解していきましょう!

入試で扱う摩擦力は、主に二種類あります。

覚える!
・静止摩擦力
・動摩擦力

の二つです。

二つの違い、詳しい定義については、このページでしっかりと説明したいと思います!

1.2 静止摩擦力とは?

まずは静止摩擦力について説明します。

静止摩擦力には、

・外力の大きさに応じて大きさが変化して
・摩擦がない場合に物体が行うであろう運動を妨げる向きに働く

といった性質があります。以下の図をイメージしてみましょう。

これが静止摩擦力のイメージです。

この時注意する必要があるのが、\(N\)と\(R\)はともに未知量上限が決まっているという点です。

そしてその\(|R|\)が上限に達すると物体が動き出します。このとき

\[|R|_{max}=μN\]

であることが知られていて、この\(μ\)のことを静止摩擦係数といいます。

つまり、静止摩擦力\(R\)が\(μN\)に達したら、物体は滑り出すということです。

注意!

良く見受けられるミスとして、静止摩擦力と聞いたらすぐに\(μN\)としてしまう人が多くいます。

\(μN\)はあくまで静止摩擦力の上限であり、実際に静止摩擦力を求める際には力のつり合いで求めることもあることに気を付けましょう。

1.3 動摩擦力とは?

動摩擦力についても説明します。

これに関してはまず式を覚えてしまうのが良いです!

動摩擦力の公式

物体が摩擦のある地面の上を運動しているとする。このときの動摩擦係数が\(μ’\)、垂直抗力が\(N\)のとき、物体にかかる摩擦力\(R\)として

\[R=μ’N\]

が得られる。なお、動摩擦係数とは地面の状態によって決まる量で、一般的に\(μ>μ’\)

これが公式です。以下のような状態をイメージしてもらうのが良いです!

これも静止摩擦力と同様に、現実にしている運動を妨げる方向に力が働くイメージを持っておくと良いでしょう。

おまけ

静止摩擦力と動摩擦力の公式は似ていますが、それら二つは似て非なるものです。

動摩擦力は以下のグラフのように、大きさが変わります。

その中で一定値を取ってそれを動摩擦力としている、ということは覚えておいてもよいかもしれませんね!

2.摩擦力まとめ

最後に今回の内容をまとめてみましょう。

まずは公式をまとめます。

摩擦運動の公式

静止摩擦力:\(F<μN\) (\(μ\)は静止摩擦係数)
      \(F=μN\)となったときに滑り出す。

動摩擦力:\(F=μ’N\) (\(μ’\)は動摩擦係数)

ただし、一般的に\(μ>μ’\)

覚えておくことはこれだけです!最後に上でまとめたことをグラフに表してみたので、イメージとして掴んでおくと良いでしょう。

6か月で偏差値を15上げるための動画

8件のコメント

相対運動を考えれば良い
床から見て上の物体が相対的に動いてなければ、静止摩擦力を考える。
上の物体が相対的に動いていれば、動摩擦力が働く。

現実では動摩擦係数は物体の速さによって変化するけど、教科書上ではそれを無視して動摩擦係数を一定のνとしているってこと?

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

理系専門オンライン予備校LUS
※無料:過去問演習プリント/参考書解説授業
6か月で偏差値を+15上げる
理系専門オンライン予備校LUS
※無料:過去問演習プリント/参考書解説授業
6か月で偏差値を+15上げる