運動エネルギーまとめ(公式・単位・求め方・位置エネルギーとの関係)

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東大塾長の山田です。

このページでは、運動エネルギーについての説明とその導出について説明しています!

ぜひ勉強の参考にしてください。

1. 運動エネルギーについて

1.1 エネルギーとは?(単位についても説明)

まずはエネルギーについてのイメージをしっかりとつけましょう。

ゴルフドライバーでボールを打つと遠くへ飛ばすことができたり、ばねを引き延ばしたときに他の物体に仕事をすることができます。このようにある物体が他の物体に仕事をする能力を持っているとき、その物体はエネルギーを持っている、といいます。

つまりエネルギーとは、仕事をする能力のことです。

エネルギーの単位は、仕事の単位と同じであるジュール\([J]\)を用います。

1.2 運動エネルギーについて

それでは、運動エネルギーについて説明します。

運動している物体は、他の物体に仕事をする能力をもっています、先ほど説明したエネルギーのことです。

この運動している物体が持っているエネルギーのことを、運動エネルギーといいます!

運動エネルギー

質量\(m[kg]\)物体が速さ\(v[m/s]\)で働いているとき、この物体がもっている運動エネルギー\(K\)は

\[K=\frac{1}{2}mv^2\]

と表記されます。

ちなみに運動エネルギーの\(K\)は、英語表記であるKinetic Energyから来ています。

\(v^2\)は速度の絶対値で必ず正になるので、速度\(\vec{v}\)の向きが異なっていても、速さ\(v\)の値が同じであれば、運動エネルギーは同じ値になります。

「\(-v\)の速度で動いているから\(K=\displaystyle -\frac{1}{2}mv^2\)だ!」と解釈しないようにしてください。

1.3 仕事とエネルギーの関係

次に仕事と運動エネルギーの関係について説明します!

運動エネルギーの仕事の間には以下の関係が成り立ちます。

仕事と運動エネルギーの関係

運動エネルギーの変化量はされた仕事に等しい。

\[\frac{1}{2}mv^2-\frac{1}{2}mv_{0}^2=W\]

エネルギーが仕事をする能力をするという最初の説明に照らし合わせれば、上の公式もなんとなくイメージがつくと思います!

これらの公式は覚えておくことが大前提ですが、運動エネルギーは運動方程式と密に関わっているので、導出の過程も把握しておくことがとても重要です。

次のセクションでしっかりと理解しましょう!

2. 運動エネルギーと仕事の関係の導出

それでは運動エネルギーと仕事の関係について解説していきます!

質量\(m\)の小球に、\(F\)の力を加えたときの運動を考えます。

このときの運動方程式は

\[ma=F\]

となります。このとき速度と加速度の関係・運動方程式より

\[v_{t}-v_{0}=\int_0^t adt=\frac{1}{m}\int_0^t F dt\]

となり、力が\(t\)のみを含む式、もしくは定数のとき、この微分方程式を解くことで運動の時間追跡をすることができます。

ところが例えば、\(F=-kx\)(e.g.ばねの運動)の場合

\[v_t-v_0=-\frac{k}{m}\int_0^t x dt\]

となり、未知の関数\(x\)が出てきてしまうため、うまくいきません。

どうすればよい?

力\(F\)が\(x\)のみを含む式、もしくは定数の場合は運動方程式を以下のようにすれば上手くいきます!

\[m\frac{dv}{dt}=F\]

ただし\(v=\displaystyle\frac{dx}{dt}\)です。

下の図のように各量を置いて考えてみましょう!

ここで、上の運動方程式の両辺に\(v(=\displaystyle \frac{dx}{dt})\)を掛けると、

\[mv\frac{dv}{dt}=F\frac{dx}{dt}\]

この式の両辺を\(t_1\sim t_2\)で積分し、そのまま計算すると

\[\int _ { t _ { 1 } } ^ { t _ { 2 } } m v \frac { d v } { d t } d t = \int _ { t _ { 1 } } ^ { t _ { 2 } } F \frac { d x } { d t } d t\] \[∴\int_{v_1}^{v_2}mv dv=\int_{x_1}^{x_2}F dx\]

となり、これを計算して仕事と運動エネルギーの関係

 \[\frac{1}{2}mv_{2}^2-\frac{1}{2}mv_{1}^2=\int_{x_1}^{x_2}F dx\]
を得ることができます!

 

この式から最初に説明した通り、仕事が運動エネルギーを生み出しうる能力のことであり、「仕事が加えられる」⇒「運動エネルギーが変化する」という因果関係を見出すことができます。

また、もう一点この式で重要なのは、これが「位置と速度を結ぶ時刻に関係ない式」であるということです。このことも頭に入れておきましょう!

特に力\(F\)が一定のときは、

\[\frac{1}{2}mv_{2}^2-\frac{1}{2}mv_{1}^2=F(x_2-x_1)\]

という簡単な式を得ることができます!

補足

力\(F\)が一定じゃな場合、仕事\(W\)はどのように求めればよいでしょうか?

実は\(W=\int_{x_1}^{x_2} Fdx\)の式の意味を考えればすぐにわかります。

この式は下図の\(F-x\)グラフの面積を表しています。つまり、仕事を求めるためには下図の台形の面積を求めればよいのです!

この考え方は、\(F\)が一定の時も同様に適用することができ、このときは下図の長方形の面積を考えればよいことになります。

仕事とグラフの面積を結びつける考え方は、物理においてかなり重要なので(特に熱力学では頻出)この段階で身に付けておきましょう!

3. 運動エネルギーと位置エネルギーの関係

次に運動エネルギーと位置エネルギーの関係について整理しましょう!

位置エネルギーについてはこちらから

簡易のため、今回は重力の下での鉛直運動を考えます。

下図のように鉛直上向きに\(y\)軸を取り、\(y=y_0\)から初速\(v_0\)で投げ上げられた小球が、任意の高さ\(y\)で速度\(v\)を持つとします。

この場合小球にかかる力は重力\(-mg\)のみで、上のセクションで導出した運動エネルギーと仕事の関係

\[\displaystyle\frac{1}{2}mv_{2}^2-\displaystyle\frac{1}{2}mv_{1}^2=F(x_2-x_1)\]

に、\(F=-mg\)と位置・速度についての各値を代入すると、

\[\frac { 1 } { 2 } m v ^ { 2 } – \frac { 1 } { 2 } m v _ { 0 } ^ { 2 } = – m g( y – y_0 )\] \[∴\frac { 1 } { 2 } m v ^ { 2 } + m g y = \frac { 1 } { 2 } m v _ { 0 } ^ { 2 } + mgy _ { 0 }\cdots①\]

が得られます。

また、物体の到達する最高点を\(y_1\)とすると、その点では\(v=0\)であるから、①式に\(v=0\)を代入して

\[\frac{1}{2}mv_{0}^2=mg(y_1-y_0)\cdots②\]

とすることができます。

これは、ある高さ(今回の場合は\(y_1-y_0\))に存在することによって、運動エネルギーを生み出す潜在能力(ポテンシャル)をもつ、という位置エネルギー(ポテンシャルエネルギー)の性質を表しています。

つまり、①式によって「運動エネルギーと位置エネルギーの和は常に等しい」というエネルギー保存則が、②式によって、運動エネルギーと位置エネルギーの互換性が示されていることが分かります。

このように運動エネルギーと位置エネルギーの間には深い関係があることが分かったと思います!

4 運動エネルギーまとめ

それでは今回扱った事項についてもう一度整理してみましょう!

運動エネルギーの公式

質量\(m[kg]\)物体が速さ\(v[m/s]\)で働いているときの、運動エネルギー\(K\):\(K=\displaystyle\frac{1}{2}mv^2\)

仕事とエネルギーの関係:\(\displaystyle\frac{1}{2}mv_{2}^2-\displaystyle\frac{1}{2}mv_{1}^2=\displaystyle\int_{x_1}^{x_2}F dx\)

エネルギー保存則:運動エネルギーと位置エネルギーの和は常に等しい

以上です!お疲れさまでした。

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