イオン化エネルギーと電子親和力まとめ

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東大塾長の山田です。

このページでは、「イオン化エネルギーと電子親和力まとめ」について解説しています。

 

  • 「イオン化エネルギーとは?」
  • 「電子親和力とは?」
  • 「どんな規則性があるの?」

 

といった疑問がすべて解決できるように、すべて解説しています。

ぜひ、参考にしてください!

1. イオン化エネルギー

1.1 第一イオン化エネルギー

原子の最外殻から電子を1個奪うときに必要な最低限のエネルギーのことを第一イオン化エネルギーといいます。

第一イオン化エネルギーは、原子から電子を奪うときに必要なエネルギーなので、小さいほうが原子から電子を奪いやすくなり、1価の陽イオンになりやすいです。

 

 

1.1.1 同族の元素での大小

同族の元素は、周期表の下に行く(原子番号が大きくなる)ほど原子半径が大きくなり原子核が電子を引き付ける力は弱くなるため、電子を放出しやすくなります。

電子を放出しやすくなるということは、陽イオンになりやすいということなので、イオン化エネルギーは小さくなります。

 

1.1.2 同周期の元素での大小

同周期の元素は、周期表の右側に行く(原子番号が大きくなる)ほど原子核の正電荷は大きくなり原子核が電子を引き付ける力は強くなり、電子を放出しにくくなります。

電子を放出しにくくなるということは、陽イオンになりにくくなるということなので、イオン化エネルギーは大きくなります。

したがって、同周期の元素のイオン化エネルギーは1族が最も小さくなり、18族(希ガス)が最も大きくなります。(下のグラフを見ると窒素と酸素のように例外が存在しますが、これは大学の範囲の電子軌道という内容を学ばないと理解できないのでそうなるものと覚えてください。)

 

1.1.1と1.1.2を合わせると原子番号1~20までの元素のイオン化エネルギーは下のグラフのようになります。

1.2 第二イオン化エネルギー、第三イオン化エネルギーなどについて

1.1で説明したように、第一イオン化エネルギーは原子から1個の電子を奪うために必要なエネルギーですが、イオン化エネルギーには、第一イオン化エネルギーの他に第二イオン化エネルギー、第三イオン化エネルギーなどが存在します。

第二イオン化エネルギーは1価の陽イオンからさらに電子を1個奪うために必要なエネルギー、第三イオン化エネルギーは2価の陽イオンからさらに1個電子を奪うために必要なエネルギーです。

通常、同じ原子では、第一イオン化エネルギー、第二イオン化エネルギー、第三イオン化エネルギーの順に大きくなります。

 

例えば、\({\rm Li}\)は価電子が1であり、1個の電子を奪った\({\rm Li^+}\)は希ガスと同じ電子配置になり安定となります。

そのため、第一イオン化エネルギーは小さく1個の電子を奪うのは容易ですが、第二イオン化エネルギー以降は非常に大きな値となり電子を奪えなくなるため、\({\rm Li^{2+}}\)、や\({\rm Li^{3+}}\)は存在しません。

また、\({\rm Be}\)は価電子が2であるため、1個の電子を奪った\({\rm Be^+}\)も安定な電子配置をとらず、第二イオン化エネルギーも小さくなります。

したがって、\({\rm Be^+}\)から電子を1個奪った\({\rm Be^{2+}}\)も存在します。

\({\rm Be^{2+}}\)は希ガスと同じ電子配置をとるので、第三イオン化エネルギー以降は非常に大きくなり\({\rm Be^{3+}}\)や、\({\rm Be^{4+}}\)は存在しません。

第二周期の元素のイオン化エネルギーは下の図のようになります。

1.3 エネルギー図

ここでは、エネルギー図を使ってイオン化エネルギーを説明しようと思います。(熱化学を勉強していない人は飛ばしてください。エネルギー図については「ヘスの法則(エネルギー図を使った解き方・実験)」で解説しているのでそちらを参照してください。)

上の式のようにイオン化エネルギーを加えることで原子は陽イオンと電子になります。

これをエネルギー図で表すと・・

このようになります。

熱化学のところでやったように、物質は塊であるよりもバラバラであるほうがエネルギーが高くなるため、原子よりも「陽イオン+電子」の方がエネルギーが高くなっています。

第一イオン化エネルギーは「原子から電子を奪うために必要なエネルギー」であるからこれを上の図に書き加えると次のようになる。

2. 電子親和力

2.1 電子親和力

原子が電子1個を取り入れ、1価の陰イオンになるときに放出するエネルギーを電子親和力といいます。

これは、原子核が電子を引き付ける力が強い電子の方が大きくなります。

原子が持つエネルギーが低いほうが安定になるため、電子親和力が大きければ大きいほど陰イオンになりやすい原子となります。

2.1.1 同族の元素での大小

同族の元素での電子親和力は、一般的には下に行く(原子番号が大きくなる)ほど小さくなります。

これは、原子番号が大きくなるほど原子半径が大きくなるため、原子核が電子を引き付ける力弱くなるためです。

しかし、第二周期と第三周期で見ると電子親和力は、第二周期<第三周期となるので注意してください。

 

2.1.2 同周期の元素での大小

同一周期では、周期表の右に行く(原子番号が大きくなる)ほど、原子核の正電荷が大きくなり電子を引き付ける力が強くなるため電子親和力は大きくなります。

しかし、希ガスは原子の状態で非常に安定であるため、自分の持っている電子以外を引き付ける力はほとんどありません。そのため、希ガスの電子親和力はほぼ0となります。

 

これらを考慮して原子番号1~20までの元素の電子親和力のグラフを書くと下のようになります。

イオン化エネルギーのグラフと違うところは、ハロゲンで極大となっていることと、希ガスが非常に小さな値をとるというところです。

この違いについて問われることがあるのでしっかり区別できるようにしましょう!

2.2 エネルギー図

イオン化エネルギーと同様に電子親和力もエネルギー図を使って説明します。

上の図のように原子に電子がくっつくことで陰イオンが生成しています。

これをエネルギー図で表すと・・

このようになります。

こちらもイオン化エネルギーと同様に、よりばらばらである「原子+電子」の方が陰イオンよりもエネルギーが高くなっています。

電子親和力は「原子に電子1個をくっつけたときに放出されるエネルギー」なのでこれを書き加えると

3. まとめ

最後にイオン化エネルギーと電子親和力についてまとめておこうと思います。

  • 原子の最外殻から電子を1個奪うときに必要な最低限のエネルギーのことを第一イオン化エネルギーという。
  • 第一イオン化エネルギーは、原子から電子を奪うときに必要なエネルギーなので、小さいほうが原子から電子を奪いやすくなり、1価の陽イオンになりやすい
  • イオン化エネルギーには、第一イオン化エネルギーの他に第二イオン化エネルギー、第三イオン化エネルギーなどが存在し、第二イオン化エネルギーは1価の陽イオンからさらに電子を1個奪うために必要なエネルギー、第三イオン化エネルギーは2価の陽イオンからさらに1個電子を奪うために必要なエネルギーである
  • 原子が電子1個を取り入れ、1価の陰イオンになるときに放出するエネルギーを電子親和力という。
  • 原子が持つエネルギーが低いほうが安定になるため、電子親和力が大きければ大きいほど陰イオンになりやすい原子になる。

 

イオン化エネルギーと電子親和力の区別がしっかりできるようにマスターしてください!

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