【数学Ⅰ三角比】sin cos tanの変換公式と覚え方

東大塾長の山田です。
このページでは、【数学ⅠA】の「三角比sin,cos,tanの変換公式と覚え方」について解説します

三角比は公式がたくさんあるため、丸暗記はキツイです。だからこそ、自分で公式を導けるようになることが重要です。
そうすれば、\( \sin, \ \cos, \ \tan \) の変換公式も簡単に覚えることができます!

この記事を最後まで読んで、公式の導き方を知り、三角比の基礎を固めましょう!

1. 三角比の変換公式

まずは三角比の変換公式をすべてまとめておきます。

\( 90^\circ-\theta \) の変換公式

・\( \displaystyle \large{ \sin(90^\circ- \theta) = \cos \theta } \)

・\( \displaystyle \large{ \cos(90^\circ- \theta) = \sin \theta } \)

・\( \displaystyle \large{ \tan(90^\circ- \theta) = \frac{1}{\tan \theta} } \)

\( 90^\circ+\theta \) の変換公式

・\( \large{ \sin(90^\circ+ \theta) = \cos \theta } \)

・\( \large{ \cos(90^\circ+ \theta) = -\sin \theta } \)

・\( \displaystyle \large{ \tan(90^\circ+ \theta) = -\frac{1}{\tan \theta} } \)

\( 180^\circ-\theta \) の変換公式

・\( \large{ \sin(180^\circ- \theta) = \sin \theta } \)

・\( \large{ \cos(180^\circ- \theta) = -\cos \theta } \)

・\( \large{ \tan(180^\circ- \theta) = -\tan \theta } \)

次は公式の導き方(覚え方)を解説していきます。

 

2. \( 90^\circ-\theta \) の変換公式の覚え方

90°−θの変換公式

・\( \displaystyle \color{red}{ \large{ \sin(90^\circ- \theta) = \cos \theta } } \)

・\( \displaystyle \color{red}{ \large{ \cos(90^\circ- \theta) = \sin \theta } } \)

・\( \displaystyle \color{red}{ \large{ \tan(90^\circ- \theta) = \frac{1}{\tan \theta} } } \)

\( 90^\circ-\theta \) の変換公式は、直角三角形を描いてみると、導くことができます。

上の左の図で、三角比の定義より、

\( \begin{cases} 
\displaystyle \sin \theta = \frac{a}{c} \\
\\
\displaystyle \cos \theta = \frac{b}{c} \ \ \ \cdots ① \\
\\
\displaystyle \tan \theta = \frac{a}{b}
\end{cases} \)

一方、上の右の図のように、もとの三角形をひっくり返すと、

\( \begin{cases}
\displaystyle \sin (90^\circ – \theta) = \frac{b}{c} \\
\\
\displaystyle \cos (90^\circ – \theta) = \frac{a}{c} \ \ \ \cdots ② \\
\\
\displaystyle \tan (90^\circ – \theta) = \frac{b}{a} 
\end{cases} \)

①、②を比べてみると

\( \color{red}{ \begin{cases}
\sin(90^\circ- \theta) = \cos \theta \\
\\
\cos(90^\circ- \theta) = \sin \theta \\
\\
\displaystyle \tan(90^\circ- \theta) = \frac{1}{\tan \theta}
\end{cases} } \)

が得られます。

 

3. \( 90^\circ+\theta \) の変換公式の覚え方

90°+θの変換公式

・\( \color{red}{ \large{ \sin(90^\circ+ \theta) = \cos \theta } } \)

・\( \color{red}{ \large{ \cos(90^\circ+ \theta) = -\sin \theta } } \)

・\( \color{red}{ \large{ \tan(90^\circ+ \theta) = -\frac{1}{\tan \theta} } } \)

\( 90^\circ+\theta \) の変換公式も、丸暗記はキツイです⋯。

次のように考えましょう。

まず上の図の点Pについて、

\( \begin{cases}
x = \cos \theta & \\
\\
y = \sin \theta & \ \ \cdots ① \\
\\
[OPの傾き]=\tan \theta &
\end{cases} \)

また、点Qについて

\( \begin{cases}
x’ = \cos(90^\circ+\theta) & \\
\\
y = \sin (90^\circ+\theta) & \ \ \cdots ② \\
\\
[OPの傾き]=\tan (90^\circ+\theta) &
\end{cases} \)

また、△OPH≡△QOH’で、正負にも注意すると、

\( \begin{cases}
x’=-y & \\
\\
y’=x & \ \ \cdots ③ \\
\\
[OPの傾き] \times [OQの傾き]=-1 &
\end{cases} \)

①,②,③より、

\( \color{red}{ \begin{cases}
\sin(90^\circ+ \theta) = \cos \theta \\
\\
\cos(90^\circ+ \theta) = -\sin \theta \\
\\
\displaystyle \tan(90^\circ+ \theta) = -\frac{1}{\tan \theta}
\end{cases} } \)

を導くことができます。

 

4. \( 180^\circ-\theta \)の変換公式の覚え方

180°−θの変換公式

・\( \color{red}{ \large{ \sin(180^\circ- \theta) = \sin \theta } } \)

・\( \color{red}{ \large{ \cos(180^\circ- \theta) = -\cos \theta } } \)

・\( \color{red}{ \large{ \tan(180^\circ- \theta) = -\tan \theta } } \)

これも丸暗記はせず、次の導き方を知っておくとよいでしょう。

上の図で、

\( \begin{cases}
P(\cos \theta , \ \sin \theta) \\
\\
[OPの傾き] = \tan \theta
\end{cases} \)

一方

\( \begin{cases}
Q\left( \cos(180^\circ-\theta), \ \sin(180^\circ-\theta) \right) \\
\\
[OQの傾き] = \tan(180^\circ-\theta)
\end{cases} \)

\( x \) 座標,\( y \) 座標,傾きを比べると

\( \color{red}{ \begin{cases}
\sin(180^\circ- \theta) = \sin \theta \\
\\
\cos(180^\circ- \theta) = -\cos \theta \\
\\
\tan(180^\circ- \theta) = -\tan \theta
\end{cases} } \)

を導くことができます。

 

5. 変換公式を使う問題

それでは、具体的に三角比の変換公式を使う問題をやっていきます。

5.1 例題1

例題1

次の三角比を45°以下の角の三角比で表せ。
 (1) \( \sin55^\circ \)
 (2) \( \cos78^\circ \)
 (3) \( \tan63^\circ \)

\( 90^\circ-\theta \) の変換公式を使って解いていきます。

【解答】

\( \begin{align}
(1) \ \ \color{red}{ \sin 55^\circ } & = \sin (90^\circ – 35^\circ) \\
& \color{red}{ = \cos 35^\circ  \cdots 【答】}
\end{align} \)

\( \begin{align}
(2) \ \ \color{red}{ \cos 78^\circ } & = \cos (90^\circ – 12^\circ) \\
& \color{red}{ = \sin 12^\circ  \cdots 【答】}
\end{align} \)

\( \begin{align}
(3) \ \ \color{red}{ \tan 63^\circ } & = \tan (90^\circ – 27^\circ) \\
\displaystyle & \color{red}{ = \frac{1}{\tan 27^\circ } \cdots 【答】}
\end{align} \)

Point
  • 「\( \sin \) と \( \cos \) は入れ替わる!」
  • 「\( \tan \) は逆数になる!」

 

5.2 例題2

例題2

角 \( \theta \) について、\( 0^\circ ≦\theta≦90^\circ \),\( \displaystyle \sin \theta = \frac{12}{13} \)とするとき、次の値を求めよ。

(1) \( \sin(90^\circ-\theta) \)
(2) \( \tan(180^\circ-\theta) \)

この問題は、三角比の相互関係との融合問題です。

【解答】

三角比の相互関係 \( \sin^2\theta + \cos^2\theta = 1 \) より、

\( \begin{align}
\cos^2\theta & = 1 – \sin^2\theta \\
\\
\displaystyle & = 1 – \left( \frac{12}{13} \right)^2 \\
\\
\displaystyle & = \frac{25}{169}
\end{align} \)

\( 0^\circ ≦\theta≦90^\circ \) であるから \( \cos\theta≧0 \)

よって、

\( \displaystyle \color{red}{ \cos\theta } = \sqrt{\frac{25}{169}} \color{red}{ = \frac{5}{13} } \)

ゆえに

\( \displaystyle \color{red}{ \tan\theta } = \frac{\sin\theta}{\cos\theta} \color{red}{ = \frac{12}{13} \div \frac{5}{13} = \frac{12}{5} } \)

よって、

\( \displaystyle \color{red}{ \sin(90^\circ-\theta) } = \cos\theta \color{red}{ = \frac{5}{13} \cdots 【答】 } \)

\( \displaystyle \color{red}{ \tan(180^\circ-\theta) } = -\tan\theta \color{red}{ = -\frac{12}{5} \cdots 【答】 } \)

補足

三角比の相互関係は、三角比の計算で必要な知識です。

曖昧な人は「【数学Ⅰ三角比】sin cos tanの相互関係と覚え方」の記事で詳しく解説しているので、参考にしてください。

【数学Ⅰ三角比】sin cos tanの相互関係と覚え方

2018年11月21日

 

5.3 例題3

例題3

△ABCの3つの内角∠A,∠B,∠Cの大きさを、それぞれA,B,Cとするとき、次の等式が成り立つことを証明せよ。

\( \displaystyle \sin\frac{A}{2} = \sin\frac{B+C}{2} \)

最後は証明問題です。
等式の証明は、一方の辺を変形して、もう一方の辺と一致させて、証明をしていきます

【解答】

\( A+B+C=180^\circ \) であるから、\( B+C=180^\circ-A \)

よって

\( \begin{align}
\displaystyle \color{red}{ \cos\frac{B+C}{2} } & = \cos\frac{180^\circ-A}{2} \\
\\
\displaystyle & = \cos \left( 90^\circ-\frac{A}{2} \right) \\
\\
\displaystyle & \color{red}{ = \sin\frac{A}{2} }
\end{align} \)

したがって、等式は成り立つ。【証明終了】

 

ここでは \( \cos(90^\circ- \theta) = \sin \theta \) の式変形を使いました。

 

6. 三角比の変換公式まとめ

以上が三角比の変換公式の解説です。
三角比は覚える公式がたくさんあります。

そのため、丸暗記はキツイですし、ど忘れやミスが必ず起こります。
公式の導き方を知っておけば理解が深まり、自分ですぐに導けることにより、暗記(一瞬で導ける状態)も容易くなります。

公式の導き方をしっかりおさえて、三角比の基礎を固めてください!

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