ばねと弾性力の公式まとめ(弾性エネルギー・ばね定数)

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東大塾長の山田です。

このページでは

・ばねの弾性力の公式と
・その公式の応用

についてまとめてあります!ぜひ参考にしてください。

1. ばねと弾性力の公式

1.1 フックの法則とばね定数

ばねは、もともとの長さ(自然長という)から伸びているときには縮もうとし、縮んでいるときは伸びようとします。

このように、平衡位置から少しだけずれた物体をもとの位置に戻させる力のことを、復元力といいます。

復元力を扱うにあたって理解することが必須の以下の法則があります。

フックの法則

ばねの復元力の大きさは、ばねの自然長からの伸び縮みの量に比例する。

これは式として書くと

\[F=kx\]

と表すことができる。ただし\(F\)は復元力の大きさ、\(k\)はばね定数、\(x\)は自然長からの変位を表している。

*ばね定数は、ばね固有の値でばねの強さを表しているとイメージすると良いでしょう。

この公式はばねの運動を扱うときには必ずといってよいほど出てきます。上の画像と合わせて、意味・イメージをしっかりと理解しましょう!

注意!

公式の説明でも赤文字で強調しましたが、\(F=kx\)の\(x\)は、あくまでも自然長からの変位です。

実際に問題を解くときに、\(x\)を自然長からの変位ではなく、ばねの長さと誤って解釈してしまう人が多く見受けられます。

このようなミスがないように、この公式を用いるときは十分に注意しましょう!

 

1.2 ばねの弾性エネルギー

ばねの自然長からの変位が\(x\)のとき、ばねのもつエネルギーはいくらになるでしょうか。暗記させられる人も多いでしょうが、ここでは定義に基づいて導き出すことにします。

ばねの先端におもりをつけ外力\(F_{外}\)を加えて、手でゆっくりと伸ばしていった場合を考えます。

補足

「ゆっくりと」という言葉は問題でもよく見られますが、ばねの問題の場合、おもりと外力が各瞬間事実上釣り合っている、と解釈するのが普通です。

つまりゆっくり伸ばしているとき

\[F_{外}=kx\]

が成り立っていて、この外力がばねを\(x\)まで伸ばすときの仕事\(W\)は

\[W=\int_0^x F_{外} dx=\int_0^x kx dx=\frac{1}{2}kx^2 \]

となります。

ばねを伸ばしている最中、ばねは各瞬間釣り合っていて運動エネルギーは全く増えないので、外力のした仕事がそのままばねのエネルギーとして蓄えられたと解釈できます

そしてこのエネルギーのことを、ばねの弾性エネルギーといいます!

以上から以下の公式を得ます。

重要!

ばねの弾性エネルギー:\(W=\displaystyle \frac{1}{2}kx^2 \)

(\(x\):ばねの自然長からの変位)

これは覚えておくと良いでしょう

今回はばねを伸ばした時を考えましたが、縮めていく場合でも釣り合いの式は変わらないので同じ結果を得ることができます。

 

 

2. ばねの公式の応用

ばねの公式は理解できましたか?

ここではその公式を具体的にどのように用いていくのかを理解していきたいと思います!

今回は、ばねに何も取り付けられていなければそれは固定端だと考えてください。

2.1 直列につないだ場合

ばねを直列につないだ場合、合成ばね定数はいくらとなるでしょうか?

 

補足

この場合、合成ばね定数とは複数のばねからなる系を、一つのばねから成る系としたときのそのばねのばね定数のことです。

今回は以下のように、ばね定数が\(k_{1}\)、\(k_{2}\)のばねを直列につないだ時のことを考えます。

ばね定数\(k_{2}\)のおもりを外力\(F\)で引っ張ったときに、ばね\(k_{1}\)と\(k_{2}\)の自然長からの伸びがそれぞれ\(x_{1}\)と\(x_{2}\)になったとします。このとき以下のような力のつり合いが成り立ちます。

これを式にすると

\[
\begin{cases}
k_1x_1=k_2x_2\\
k_2x_2=F
\end{cases}
\]

となり、この二式から

\[x_1=\frac{F}{k_1},\quad x_2=\frac{F}{k_2}\]

となることが分かります。

以下の図のように二つのばねを一つのばね(合成ばね、ばね定数:\(K\))とみなすと、

合成ばねと外力のつり合いの式から

\[F=Kx=K(x_1+x_2)=K(\frac{F}{k_1}+\frac{F}{k_2})=K\frac{k_1+k_2}{k_1k_2}F \] \[∴K=\frac{k_1k_2}{k_1+k_2}\]

となることが分かります!

これが、直列につないだ場合の合成ばね定数の公式です。

2.2 並列につないだ場合

次に、ばね定数が\(k_1\)と\(k_2\)のばねを並列につないだ場合の合成ばね定数はいくらになるでしょうか?

考え方は直列の時と同様で、力のつり合いから求めていきます。また、二つのばねの自然長は同じとします。

大きさ\(F\)の外力を加えたときに、二つのばねがどちらも自然長から\(x\)だけ伸びたとすると、力は以下のようにはたらきます。

力のつり合いより

\[F=k_1 x+k_2 x=(k_1+k_2)x \]

よって先ほどと同様に合成ばね定数\(K\)を考えると

\[K=k_1+k_2 \]

となることが分かります!

これが、並列につないだ場合の合成ばね定数の公式です。

2.3 二つのばねに挟まれている場合

最後に、ばねの間におもりが挟まっている場合合成ばね定数はどうなるでしょうか?

ばね定数\(k_{1}\)と\(k_{2}\)のばねの間におもりが挟まっている場合を考えてみましょう!

下図のように、両方のばねが自然長であった状態から、外力\(F\)を加えて\(x\)だけ移動させた時を考えます。

このとき力は上図のように働き、力のつり合いより

\[F=k_1x+k_2x=(k_1+k_2)x \]

よって同じように合成ばね定数\(K\)を考えると、

\[K=k_1+k_2\]

となることが分かります!

これが、ばねの間に物体がある場合の合成ばね定数の公式です。

ばねを移動させる方向を図と逆側にしても、結局釣り合いの式は変わらないので同じ結果が得られます。

このセクションで扱った三つの公式は、混合しやすいので丸暗記することはお勧めしません。

導出もしやすいと思うので、逐一導出できるようにしておきましょう!

3. ばねの公式総まとめ

ここまでの内容は理解できたでしょうか?

以下に今回扱った公式をまとめておくので、ぜひ復習に用いて下さい!

ばねの公式

ばねの復元力の大きさ:\(|F|=kx\)

ばねの弾性エネルギー:\(E=\displaystyle \frac{1}{2}kx^2 \)

直列につないだ場合の合成ばね定数:\(K=\frac{k_1k_2}{k_1+k_2}\)

並列につないだ場合の合成ばね定数:\(K=k_1+k_2\)

二つのばねに挟まれた場合の合成ばね定数:\(K=k_1+k_2\)

ただし、\(x\)は、ばねの自然長からの変位を、\(k_1\)、\(k_2\)はそれぞればね定数表す。

 

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