変曲点に関する知識まとめ(意味・求め方・法則)

東大塾長の山田です。

このページでは、変曲点に関する知識をまとめています。

微分の分野で登場する変曲点ですが、計算方法や簡単な意味を知っている人は多いと思います。しかし、変曲点が持つ図形的な意味や、三角関数における変曲点の重要性については、詳しく知らない人が多いと思います。このページではそれらすべてを網羅しています。

ぜひ勉強の参考にしてください!

1.変曲点とは

1.1 変曲点の定義

二階微分可能で、二階の導関数が連続であるような関数について、「二階の導関数の符号が変化する点」のことを「変曲点」といいます。

1.2 変曲点の意味(グラフも)

変曲点はグラフにおいてどのような意味を持つでしょうか?順を追って考えていきましょう。

二階の導関数\(f”(x)\)の符号が変化

一階の導関数\(f'(x)\)が増加から減少(減少から増加)に転じる

接線の傾きが増加から減少(減少から増加)に転じる

これはグラフで確認してみると下図のようになります。

このように、変曲点には「グラフの曲がり方を変える」という役割があるのです。

1.3 変曲点の求め方

それでは変曲点はどのように求めればよいのでしょうか?計算方法については知っている人も多いでしょうが、注意すべき点もあるので改めて説明します。

関数\(y=f(x)\)が与えられてた時、基本的には\(f”(x)=0\)を解けば変曲点の\(x\)座標の「候補」が求まります。

この「候補」というのがミソで、

「\(x=a\)が変曲点→\(f”(a)=0\)」

は成立しますが、

「\(f”(a)=0\)→\(x=a\)が変曲点」

は成立しません。つまり、\(f”(a)=0\)なる\(a\)の前後で符号が変化しない場合です。実際の関数で確認しましょう。

【例】\(f(x)=x^4\)

について

\(\begin{cases}f'(x)=4x^3 \\f”(x)=12x^2\end{cases}\)

となり変曲点の候補としては\(x=0\)がありますが、二階微分\(f”(x)=12x^2>0\)なため、符号変化が起こりません。よって\(x=0\)は変曲点になりえません。

\(f”(x)=0\)というのがあくまでも変曲点である必要条件に過ぎないことを理解しておきましょう!

2.三次関数と変曲点

変曲点の基本的性質について理解したところで、次は変曲点と三次関数の間に成立する関係について考えていきましょう。検算ツールとしても役立つのでしっかりと理解しましょう。

以下では三つの関係について取り上げていきます。

2.1 変曲点はただ一つ

三次関数において変曲点はただ一つです。

【証明】

任意の三次関数は

\(f(x)=ax^3+bx^2+cx+d\)

と書くことができます。(\(a≠0\))

このとき、

\(\begin{cases}f'(x)=3ax^2+2bx+c\\f”(x)=6ax+2b\end{cases}\)

であり、\(f”(x)=0\)を解くと、\(x=-\displaystyle\frac{b}{3a}\)が得られ、この点は一意に定まり、二階微分の符号が変わる点のため変曲点であることが分かります。

2.2 変曲点に対して点対称

次に、三次関数が変曲点に関して点対称であることを確認していきましょう。

これは受験数学においては常識なので必ず頭に入れておきましょう。

【方針】変曲点に関して点対称という性質は、曲線を平行移動させても不変です。よって変曲点が原点にくるように平行移動させて、対称性を考えやすくしましょう。

【解答】

\(f(x)=ax^3+bx^2+cx+d\)について考えていきます。

\(\begin{cases}f'(x)=3ax^2+2bx+c\\f^{\prime \prime}(x)=6 a x+2 b\end{cases}\)

よって\(f”(x)=0\)とすると、\(x=-\displaystyle\frac{b}{3a}\)

よって変曲点は

\(\left(-\displaystyle\frac{b}{3 a}, \displaystyle\frac{2 b^{3}}{27 a^{2}}-\displaystyle\frac{b c}{3 a}+d\right)\)

ここで、変曲点が原点に移動するように平行移動させた式は

\(y+\left(\displaystyle\frac{2 b^{3}}{27 a^{2}}-\displaystyle\frac{b^2}{3 a}+d\right)=a\left(x-\displaystyle\frac{b}{3 a}\right)^{3}+b\left(x-\displaystyle\frac{b}{3 a}\right)^{2}+c\left(x-\displaystyle\frac{b}{3 a}\right)+d\)

これを整理すると

\(y=y=a x^{3}+\left(c-\displaystyle\frac{b^{2}}{3 a}\right) x≡g(x)\)

となります。この関数を\(g(x)\)と置きました。

このとき

\(\begin{aligned}g(-x)&=a(-x)^{3}+\left(c-\frac{b^{2}}{3 a}\right)(-x)\\&=-a x^{3}-\left(c-\frac{b^{2}}{3 a}\right) x\\&=-g(x)\end{aligned}\)

\(g(-x)=-g(x)\)より、\(y=g(x)\)は奇関数となり原点対称です。よって\(f(x)=ax^3+bx^2+cx+d\)は変曲点に関して点対称です。(証明終了)

2.3 直線の対称性と位置関係

三次関数のグラフに関して、ABCDEは等間隔に並んでいます。

上図においてCは変曲点、BDは極大・極小点、AEは極大・極小点と同じ高さの点のx軸への投影です。

今回は、\(a>0\)の場合についてのみ考えますが、\(a<0\)の場合についても同様です。また、三次関数が必ず極大・極小点を持つ場合について考えます。

【証明】

\(y=px+q\)と三次関数\(y=ax^3+bx^2+cx+d\)の交点の\(x\)座標は三次方程式

\(px+q=ax^3+bx^2+cx+d\)

の解となります。この方程式の三つの解を\(\alpha,\beta, \gamma \)とすると、解と係数の関係より

\(\alpha+\beta+\gamma=-\displaystyle\frac{b}{a}\)

となります。これは\(p, q\)に依存しないため、交点の\(x\)座標の和\(S\)は直線に依らないということが分かりました。

また、変曲点を通る直線を考えると、先ほど示した「三次関数は変曲点について点対称」という性質を用いると

\(S=3C\)

となります。

また、極小点を通り\(x\)軸に平行な直線について考えると、

\(A+2D=3C\)

となります。これは、CがAとDを\(2:1\)に内分する点であることを意味しています。

よって変曲点に関して点対称であることを考えると、ABCDEが等間隔で並んでいることが分かります。(証明終了)

これを応用すると下図のように曲線上の点から接線を引いた、接線と曲線の共有点と変曲点の位置関係にも用いることができます。

この法則は検算の場合などに用いると良いでしょう。解答に使う場合は軽く証明を載せておくと無難です。

3. まとめ

お疲れ様でした!最後に今回学んだことをまとめておくので、復習に活用してください!

まとめ

基礎知識

変曲点:二階微分可能で、二階の導関数が連続であるような関数について、二階の導関数の符号が変化する点のこと

注意点:\(f”(x)=0\)というのがあくまでも変曲点である必要条件に過ぎない

三次関数との関係

①変曲点はただ一つ
②変曲点に関して点対称
③Cを変曲点、BDを極大・極小点、AEを極大・極小点と同じ高さの点のx軸への投影としたとき、ABCDEは等間隔に並ぶ

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