放物線の知識まとめ(式・焦点・接線の公式・媒介変数表示)

東大塾長の山田です。
このページでは、放物線」について解説します

今回は放物線の標準形の式から頂点・焦点・準線,媒介変数表示,接線の公式まですべて解説していきます
ぜひ勉強の参考にしてください!

1. 放物線

まずは放物線の定義と方程式について解説していきます。

1.1 放物線の定義・焦点・準線

中学や数Ⅰでは,2次関数 \( y = ax^2 + bx + c \) のグラフが放物線を表すことは学習しましたが,放物線の定義は次のようになります。

放物線の定義

「定点Fと,Fを通らない定直線 \( l \) からの距離が等しい点の軌跡」を 放物線 という。

また,点Fを 焦点,直線 \( l \) を 準線 ,焦点を通り準線に垂直な直線を といい,軸と放物線の交点を 頂点 という。

 

1.2 放物線の方程式[標準形]

まずは放物線の方程式と性質をまとめます。

放物線の方程式と性質

放物線 \( \color{red}{ y^2 = 4px } \)(\( p \neq 0 \))[標準形]

  • 頂点:原点 \( (0, \ 0) \)
  • 焦点:\( (p, \ 0) \)
  • 準線:\( x = -p \)
  • :\( x \) 軸(放物線は軸に関して対称)

上図のように,焦点 \( F(p, \ 0) \),準線 \( l \) を \( x = -p \) とします。

放物線上の点を \( P(x, \ y) \) から \( l \) へ下ろした垂線を \( PH \) とすると,\( PF = PH \) であるから,

\( \displaystyle \sqrt{(x-p)^2 + y^2} = |x – (-p)| \)

両辺を2乗して

\( \displaystyle (x-p)^2 + y^2 = (x+p)^2 \)

\( ∴ \ \color{red}{ y^2 = 4px } \cdots ① \)

この①を,放物線の方程式の 標準形 といいます。

【例】

放物線 \( y^2 = x \) は

\( \displaystyle y^2 = 4 \cdot \frac{1}{4} x \)

と変形できるから,

焦点は \( \displaystyle \left( \frac{1}{4}, \ 0 \right) \),準線は \( \displaystyle x = \ – \frac{1}{4} \)

 

また,放物線の方程式 \( y^2 = 4px \) において,\( x \) と \( y \) を入れ替えて得られる方程式

\( \displaystyle \color{red}{ x^2 = 4py } \)

は,\( y \) 軸を軸とした,焦点 \( (0, \ p) \),準線 \( y = -p \) とする放物線となります。

これは,数学Ⅰで学習する放物線 \( y = ax^2 \) と同様の形で,\( y^2 = 4px \) を直線 \( y = x \) に関して対称移動したものです。

 

放物線 \( y = ax^2 \) の焦点と準線は,

\( \displaystyle x^2 = 4 \cdot \frac{1}{4a} \)

から,それぞれ

焦点:\( \displaystyle \left( 0, \ \frac{1}{4a} \right) \),準線:\( \displaystyle y = – \frac{1}{4a} \)

となります。

 

2. 放物線の接線の方程式の公式

放物線の接線の方程式

放物線 \( y^2 = 4px \) 上の点 \( x_1, \ y_1 \) における接線の方程式は

\( \displaystyle \color{red}{ y_1 y = 2p(x + x_1) } \)

なぜこのような式になるのか,示しておきます。

放物線と直線が接するということは,放物線と直線の連立方程式から \( x \) だけの2次方程式を導き,その方程式の判別式が \( D = 0 \) となればよいわけです
これを利用して,接線の方程式を導きます。

【証明】

放物線 \( y^2 = 4px \cdots ① \) の,傾き \( m \) の接線の方程式を

\( y = mx + n \)(\( m \neq 0 \))\( \cdots ② \)

とし,接点の座標を \( x_1, \ y_1 \) とする。

②を①に代入して,\( x \) について整理すると

\( \displaystyle m^2 x^2 + 2 ( mn – 2p ) x + n^2 = 0 \cdots ③ \)

②の直線が①の放物線に接する条件は,③の2次方程式の判別式 \( D \) が \( D = 0 \) のときであるから

\( \displaystyle \frac{D}{4} = (mn – 2p)^2 – m^2 n^2 = 0 \)

\( \displaystyle ∴ \ n = \frac{p}{m} \cdots ④ \)

このとき,③の解(重解)は

\( \displaystyle x_1 = \frac{-(mn – 2p)}{m^2} = \frac{p}{m^2}  \)

これと④を、②に代入して

\( \displaystyle y_1 = mx_1 + n = \frac{p}{m} + \frac{p}{m} = \frac{2p}{m} \)

したがって,\( y_1 \neq 0 \) のとき

\( \displaystyle m = \frac{2p}{y_1}, \ n = \frac{y_1}{2} \)

これらを②に代入すると

\( \displaystyle y = \frac{2p}{y_1} x + \frac{y_1}{2} \)

\( \displaystyle ∴ \ y_1 y = 2px + \frac{{y_1}^2}{2} \)

また,\( \color{magenta}{ {y_1}^2 = 4px_1 } \) であるから

\( \displaystyle \color{red}{ y_1 y } = 2px + \frac{\color{magenta}{ 4px_1 }}{2} \color{red}{ = 2p(x + x_1) } \)

さらに,\( y_1 = 0 \) のとき \( x_1 = 0 \) であり,接線の方程式は \( x=0 \) となり,\( y_1 = 0 \) のときも成り立つ。

 

3. 放物線の媒介変数表示

放物線の媒介変数表示

放物線 \( y^2 = 4px \) の媒介変数表示は

\( \color{red}{ \begin{cases}
x = pt^2 \\
\\
y = 2pt
\end{cases} } \)

放物線 \( y^2 = 4px \) と,\( y \) 軸に平行な直線群 \( y = 2pt \) との交点を \( P(x, \ y) \) とすると,

\( \displaystyle (2pt)^2 = 4px \)

\( ∴ \ x = pt^2 \)

よって

\( \displaystyle \color{red}{ x = pt^2, \ y = 2pt } \)

補足

ある曲線の式の \( x \) と \( y \) を,それぞれ変数 \( t \) の関数として表すことを 媒介変数表示(またはパラメータ表示)といいます。

また,\( t \) を 媒介変数(またはパラメータ)といいます。

 

以上が放物線の解説です!

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