【数学Ⅲ】積分計算の型網羅part4(無理関数)

東大塾長の山田です。

このページでは、無理関数の積分について詳しく説明しています!

計算が面倒になりがちな無理関数の積分ですが、やることは単純です。どのような問題に対しても対処できるような力を身に着けていきましょう。

ぜひ勉強の参考にしてください!

1. 無理関数の積分の基本方針

無理関数とは、以下のように根号が含まれている関数のことを指します。

【無理関数の例】

\(y=\sqrt{2x+5}, \quad y=\displaystyle\frac{3x+5}{\sqrt{x^2+x+1}},\quad y=\frac{x}{\sqrt[3]{x+5}}\)

無理関数を積分する場合、いくつか基本的な方針が決まってきます。まずはそれについて解説していきます。

1.1 基本方針

無理関数を積分する際、以下の3つの基本方針を意識してあげましょう。

基本方針

① 分母を定数にできるのならば分母を有理化する

② 根号が一次式ならば、根号ごと置換する

③ 根号が二次式ならば、三角関数の置換を考える(ほとんど定積分)

1.2 理由と計算例

なぜ、このような方針で積分を行うのか、実際の計算例を基にして考えてみましょう。

まずは「① 分母を定数にできるのならば分母を有理化する」についてです。

① 分母を定数にできるのならば分母を有理化する

【例】 \(I=\displaystyle\int \frac{x}{\sqrt{2x+3}-\sqrt{3}} dx\)

基本方針通り行いましょう。まずは非積分関数を有理化していきます。

\(\begin{aligned}\displaystyle\int \frac{x}{\sqrt{2x+3}-\sqrt{3}}&=\displaystyle\int \frac{x(\sqrt{2x+3}+3)}{(\sqrt{2x+3}-\sqrt{3})x(\sqrt{2x+3}+3)}\\&=\frac{\sqrt{2x+3}+\sqrt{3}}{2}\end{aligned}\)

これを用いて積分を行いましょう。

\(\begin{aligned}I&=\displaystyle\int \frac{x}{\sqrt{2x+3}-\sqrt{3}}dx \\&=\frac{1}{2}\int (\sqrt{2x+3}+\sqrt{3}) dx\\&=\frac{1}{2}\{\frac{3}{2}(2x+3)^{\frac{3}{2}}\cdot\frac{1}{2}+\sqrt{3} x\}+C \\&=\frac{1}{6}(2x+3)\sqrt{2x+3}+\frac{\sqrt{3}}{2}x+C\end{aligned}\)

このように分母を有理化すると、非積分関数が\(x^a\)の項の和で表すことができるので、容易に積分計算を行うことができます!これが有理化を行う理由です。

有理化してもうまくいかない関数は、「② 根号が一次式ならば、根号ごと置換する」を適応するとうまくいきます。

これも実際の計算例で確認してみましょう。

② 根号が一次式ならば、根号ごと置換する

【例】 \(I=\displaystyle \int (x+1)\sqrt{2x-1} dx\)

\(t=\sqrt{2x-1}\)と置換しましょう。このとき、\(x=\displaystyle\frac{t^2 +1}{2}\)となり、\(\displaystyle\frac{dx}{dt}=t\)となります。

よって、

\(\begin{aligned}I&=\displaystyle \int (x+1)\sqrt{2x-1} dx\\&=\int \left(\frac{t^2+1}{2}+1\right)\cdot t\cdot t dt\\&= \int\left(\frac{t^2+3}{2}\right)t^2 dt\\&=\frac{1}{2}\int (t^4+3t^2) dt \\&=\frac{1}{10}t^3 (t^2 +5)+C\\&=\frac{1}{10}(2x-1)\sqrt{2x-1}\{(2x-1)+5\}+C\\&=\frac{1}{5}(x+2)(2x-1)\sqrt{2x-1} +C\end{aligned}\)

このようにうまく計算することができました。これは、根号内が一次式の場合、それを丸ごと置換してあげると(\(t=\sqrt{ax+b}\))、

\(t=\sqrt{ax+b}⇒\displaystyle\frac{dx}{dt}=\frac{2}{a}\)

となり、\(x\)と\(dx\)が\(t\)のみの簡単な式で表せることから説明できます!

逆に、根号内が二次式の場合、同様に置換してあげても(\(t=\sqrt{ax^2+b}\))

\(t=\sqrt{ax^2+b}⇒\displaystyle\frac{dx}{dt}=\frac{t}{ax}\)

となり、\(x\)と\(dx\)が\(t\)のみの簡単な式で表現できないため、この置換にはあまり意味がありません。

結論を言えば、根号内を丸ごと置換するという手法は、根号内が一次式の時のみ有効であるということができます!

もちろん例外はあり、被積分関数の分母に\(x\)があるときは、お互いに打ち消しあうため、意味を持ちます。(後ろの演習問題で扱います。)

最後に、根号内が二次式の場合です。この場合は「③ 根号が二次式ならば、三角関数の置換を考える」が有効です。

【数学Ⅲ】積分計算の型網羅part1(置換積分)

2019年8月2日

三角関数で置換を行うことで、とても計算が容易になります。三角関数の置換は以下のように行われます。

積分パターン

\(x=a\sin\theta\)と置換(\(x=a\cos x\)としても良い)

この置換について考えましょう。

 \(x=a\sin\theta\)と置換

被積分関数が、\(\sqrt{a^2-x^2}\)の形のとき、\(x=a\sin\theta\)と置換するととても簡単に計算することができます。

【例】\(a>0\)のとき、\(\displaystyle\int_{0}^{a}\sqrt{a^2-x^2}dx\)を計算してみましょう。

\(x=a\sin\theta\)と置換すると、被積分関数は

\(\begin{aligned}\sqrt{a^2-x^2}=\sqrt{a^2(1-\sin^2\theta)}&=\sqrt{a^2\cos^2\theta}\\&=a|\cos\theta|\end{aligned}\)

となり、\(\displaystyle\frac{dx}{d\theta}=a\cos\theta\)で\(x:0\to a\)のとき\(\theta:0\to\displaystyle\frac{\pi}{2}\)となるから

\(\begin{aligned}\displaystyle\int_{0}^{a}\sqrt{a^2-x^2}dx&=\displaystyle\int_{0}^{\frac{\pi}{2}}a\cos\theta\cdot a\cos\theta d\theta\\&=a^2\displaystyle\int_{0}^{\frac{\pi}{2}}\cos^2\theta d\theta\\&=a^2\displaystyle\int_{0}^{\frac{\pi}{2}}\displaystyle\frac{1+\cos 2\theta}{2} d\theta\\&=\displaystyle\frac{a^2\pi}{4}\end{aligned}\)

となります。

 

2. 演習

それでは、上で示した基本方針を基にして問題を解いてみましょう!

2.1 問題

問題

以下の積分を求めよ。

(1) \(I=\displaystyle\int \frac{x}{\sqrt{x+1}-1} dx\)

(2) \(I=\displaystyle\int \frac{x^3}{\sqrt[3]{x^2+1}} dx\)

(3) \(I=\displaystyle\int\frac{1}{\sqrt{1-\sqrt{x}}} dx\)

2.2 解答

基本方針

① 分母を定数にできるのならば分母を有理化する

② 根号が一次式ならば、根号ごと置換する

③ 根号が二次式ならば、三角関数の置換を考える(ほとんど定積分)

上の方針を頭に入れながら問題を解いてみましょう!

それでは解答です。

【解答】

(1) \(I=\displaystyle\int \frac{x}{\sqrt{x+1}-1} dx\)

これは方針①です。被積分関数を有理化していきましょう。

\(\begin{aligned}\displaystyle\frac{x}{\sqrt{x+1}-1}&=\frac{x(\sqrt{x+1}+1)}{(\sqrt{x+1}-1)(\sqrt{x+1}+1)}\\&=\frac{x(\sqrt{x+1}+1)}{x}\\&=\sqrt{x+1}+1\end{aligned}\)

上手く有理化できたので、実際に積分を行います。

\(\begin{aligned}I&=\displaystyle\int \frac{x}{\sqrt{x+1}-1} dx\\&=\int (\sqrt{x+1}+1) dx\\&=\frac{2}{3}(x+1)^{\frac{3}{2}}+x+C\\&=\frac{2}{3}(x+1)\sqrt{x+1}+x+C\end{aligned}\)

 

(2) \(I=\displaystyle\int \frac{x^3}{\sqrt[3]{x^2+1}} dx\)

これはパターン②です。根号ごと置換しましょう。

\(\sqrt[3]{x^2+1}=t\)と置換します。このとき、\(x^2+1=t^3\)なので、\(x dx =\frac{3}{2}t^2 dt\)となります。実際に積分を行うと

\(\begin{aligned}I&=\displaystyle\int \frac{x^3}{\sqrt[3]{x^2+1}} dx\\&=\int \frac{x^2}{\sqrt[3]{x^2+1}}\cdot x dx\\&= \int \frac{t^3-1}{t} \frac{3}{2}t^2 dt\\&=\frac{3}{2}\int (t^4-t) dt \\&=\frac{3}{2}\left(\frac{1}{5}t^5 -\frac{1}{2}t^2\right)+C\\&=\frac{3}{20}t^2(2t^3-5)+C\\&=\frac{3}{20}(x^2+1)\frac{2}{3}\{2(x^2+1)-5\}+C\\&=\frac{3}{20}(x^2+1)^{\frac{2}{3}}(2x^2-3)+C\end{aligned}\)

 

(3) \(I=\displaystyle\int\frac{1}{\sqrt{1-\sqrt{x}}} dx\)

これもパターン②ですね。実際に、\(t=\sqrt{1-\sqrt{x}}\)と置換すると、\(x=(1-t^2)^2\)となり、\(dx=4t(t^2-1)dt\)となるので、実際に積分を行ってみると

\(\begin{aligned}I&=\displaystyle\int\frac{1}{\sqrt{1-\sqrt{x}}} dx\\&=4\int \frac{t(t^2-1)}{t} dt\\&=4\int (t^2-1) dt\\&=4\left(\frac{1}{3}t^3-t\right)+C\\&=\frac{4}{3}\sqrt{1-\sqrt{x}}\{(\sqrt{1-\sqrt{x}})-3\}+C\\&=-\frac{4}{3}\sqrt{1-\sqrt{x}}(2+\sqrt{x})+C\end{aligned}\)

解くことができたでしょうか?何を使えばかはっきりすればあとは機械的に計算するだけなので、ぜひこの記事の内容を身に着けてください!

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