ホイヘンスの原理の詳しい解説!

東大塾長の山田です。
このページでは、ホイヘンスの原理を詳しく解説しています

受験であまり使わないんじゃないか?と思われているこの分野、実はとても重要な分野なのです
「ホイヘンスの原理がどのようなものなのか」「どう重要なのか」しっかり解説していきます!

1. ホイヘンスの原理

1. 1 準備

今からホイヘンスの原理について説明していきますが、その前段階として以下の用語とその関係について抑えておく必要があります。

射線:波の進行方向を示す線のこと

波面:同位相のの点を連ねた面のこと

事実:射線と波面は直交する!

平面波:波面が平行に並ぶ波のこと。

球面波:波面が同心円状に並ぶ波のこと。

例えば、海岸に押し寄せる波は「平面波」、水面に石を落としたときに広がる波は「球面波」です。

これらの事項は、ホイヘンスの原理の解説の際に重要になってくるので、頭に入れておきましょう。

 

1.2 ホイヘンスの原理とは

それではホイヘンスの原理の解説に入ります。まず、ホイヘンスの原理を言葉で解説すると以下のようになります。

ホイヘンスの原理

音や光のような波は、波面上(同位相面)上の各点が点波源となって、そこから出る球面波(素元波)が無数に発生し、それらに共通する面(包絡面)が次の瞬間の波面を形成する。

以上が言葉での説明になりますが、これだけではピンとこない人いると思うので、図による説明も行ってみます。

まず、平面波の場合の様子を考えていきます。

波面(オレンジ線)の同位相の点から素元波(青)が出て、それらに共通する平面(赤線)から、最初と同様に素元波が出て、、という現象の繰り返しで波は進んでいきます。

上図の右側を見ればわかるように、最初にできた素元波は、お互いの干渉によって弱めあい、最後には包絡面のみが残ります。

次に球面波についても考えていきます。
仕組みについては平面波と同じなので、波の様子のみを軽く紹介します。

球面波の場合は上図のように包絡面が生成され、その包絡面からまた新しい素元波が出ていくことで、新たな波面が形成されていきます。

これが「ホイヘンスの原理」です!

 

1.3 ホイヘンスの原理と回折

ホイヘンスの原理によって波の回折も解説することができます。

波が障害物の裏側に回り込むことを「回折」といいますが、この現象の出発点はホイヘンスの原理です。いったん障害物を前にした波が、下図のように広がることで回折という現象を起こしているのです。

 

2. 問題を解いて理解しよう(屈折との関係)

ホイヘンスの原理についてしっかりと理解できたかどうか、次の問題を解いて確認してみましょう!
この問題は、「ホイヘンスの原理によって波の屈折も解説できてしまう」という点でも面白い問題です。しっかりと考えてみてください!

問題

下図において、ある波形の媒質Aにおける射線と波面が示されている。

【問】媒質Bにおける射線をホイヘンスの原理を用いて求めよ。ただしA、Bにおける波の速さの比を\(2:1\)とする。

考えてみましたか?

以下が解答になります。

解答

波の様子を考えていきましょう。

PとQには同時に同位相(たとえば山とする)の波が届きます。Qの山がRに到達するまでの間に、Aの山は素元波となって媒質Bに広がっています。

そしてQの山がRに達したとき、Rと素元波の共通接線が包絡面となり、そこが新たな波面になります。

そのため、その包絡面に垂直になるように線を引いてあげると、それが求めるべき射線になります。

この様子を図で表現すると下図のようになります。

このときの素元波の半径が\(\displaystyle\frac{PQ}{2}\)になることに注意してください。(A、Bにおける波の速さの比が\(2:1\)ゆえ)

解けでしょうか?少々難しい問題ですが、ホイヘンスの原理を理解できたかどうか確かめることができる良問です。解けるまで何度も解きましょう!

 

3. まとめ

お疲れ様でした!ここに今回ん学んだことをまとめておくので、ぜひ復習に役立ててください。

ホイヘンスの原理
音や光のような波は、波面上(同位相面)上の各点が点波源となって、そこから出る球面波(素元波)が無数に発生し、それらに共通する面(包絡面)が次の瞬間の波面を形成する。

これにより、波の回折・屈折が説明できる!

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