東大塾長の山田です。
このページでは「絶対温度」について解説しています。
状態方程式の計算でよく絶対温度を使いますが、普段我々が触れている温度とは違ってきます。この違いをここでは詳しく説明します。
是非参考にしてください。
1. セルシウス温度と絶対温度
温度の表し方には、セルシウス温度と絶対温度の二種類があります。
1気圧のもとで氷が溶ける温度を0℃、水が沸騰する温度を100℃と定めた温度のことをセルシウス温度といいます。これは日常生活をしていくうえで、便宜的に決められた温度です。
一方で、原子・分子の熱運動がほとんどなくなる温度を0K(ケルビン)とする温度のことを絶対温度といいます。
温度と熱、熱運動は大きく関係しています。原子や分子は図1のように絶えず熱運動をしています。
- 固体の場合は、分子や原子は一定の配列に並び、振動しています。
- 液体の場合は、分子や原子はある程度位置を変えて、動き回っています。
- 気体の場合は、分子や原子は空間を自由に飛び回っています。
このような乱雑な運動のことを熱運動といい、熱の正体は、分子や原子の熱運動となります。
そして、熱運動の大きさをはかるものさしの1つが温度という尺度です。温度が高いほど、熱運動が激しくなり、分子や原子の運動エネルギーは大きくなります。温度を下げていくと、熱運動が鈍くなり、分子や原子の運動エネルギーは小さくなります。
そして、約-273℃のとき、熱運動は停止します。ここで、温度は熱運動の大きさを測るものさしであったので、熱運動が停止した-273℃より低い温度はなくなります。
この温度の下限-273℃のことをこれより低い温度がないということから、絶対零度といいます。これより、-273℃=0Kとなります。
これより、セルシウス温度(摂氏温度)\(t〔℃〕\)と絶対温度(熱力学温度)\(T〔K(ケルビン)〕\)の関係は、
\[T〔K〕=t〔℃〕+273\]
となります。
2. セルシウス温度と絶対温度の変換
セルシウス温度の0℃は絶対温度の273Kです。
つまり、セルシウス温度の100℃は絶対温度の373K、200℃は473Kとなります。ちなみに、絶対温度の0Kはセルシウス温度で表すと-273℃となります。
3. まとめ
最後に絶対温度についてまとめておこうと思います。
- 1気圧のもとで氷が溶ける温度を0℃、水が沸騰する温度を100℃と定めた温度のことをセルシウス温度という。
- 一方で、原子・分子の熱運動がほとんどなくなる温度を0K(ケルビン)とする温度のことを絶対温度という。
- -273℃のことをこれより低い温度がないということから、絶対零度という。
-
セルシウス温度\(t〔℃〕\)と絶対温度\(T〔K(ケルビン)〕\)の関係は、\(T〔K〕=t〔℃〕+273\)である。
日常的に使っているセルシウス温度と化学で多く使われる絶対温度は別のものです。
しっかり違いを覚えて間違えないようにしましょう!
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