等比数列の公式まとめ(一般項・和の公式・証明)

東大塾長の山田です。
このページでは、数学B数列の「等比数列」について解説します

今回は等比数列の基本的なことから,一般項,等比数列の和の公式とその証明まで,具体的に問題を解きながら超わかりやすく解説していきます。
ぜひ勉強の参考にしてください!

1. 等比数列とは?

まずは,等比数列の定義を確認しましょう。

等比数列

隣り合う2項の比が常に一定の数列のこと。

例えば,数列

1, 2, 4, 8, 16, 32, \( \cdots \)

は,初項1に次々に2を掛けて得られる数列です。
1つの項とその隣の項との比は常に「1:2」で一定です。

このような数列を 等比数列 といい,この比(掛ける数)を 公比 といいます。

 

したがって,等比数列 \( {a_n} \) の公比が \( r \) のとき,すべての自然数 \( n \) について次の関係が成り立ちます。

等比数列の定義

\( a_{n+1} = a_n r \)

特に,初項 \( a_1 \neq 0 \),公比 \( r \neq 0 \) のとき

\( \displaystyle \frac{a_{n+1}}{a_n} = r \)

 

2. 等比数列の一般項

2.1 等比数列の一般項の公式

数列 \( {a_n} \) の第 \( n \) 項 \( a_n \) が \( n \) の式で表されるとき,これを数列 \( {a_n} \) の 一般項 といいます。

等比数列の一般項は次のように表されます。

等比数列の一般項

初項 \( a \),公比 \( r \) の等比数列 \( {a_n} \) の一般項は

\( \displaystyle \large{ \color{red}{ a_n = a r^{n-1} } } \)

(第 \( n \) 項)=(初項)×(公比)\( ^{n-1} \)

なぜこのような式なるのかを,必ず理解しておきましょう。
次で解説していきます。

 

2.2 等比数列の一般項の導出

【証明】

初項 \( a \),公比 \( r \) の等比数列 \( {a_n} \) の第 \( n \) 項は次の図のように表される。

第 \( n \) 項は,初項 \( a_1 = a \) に公比 \( r \) を \( (n-1) \) 回掛けたものだから,一般項は

\( \displaystyle \large{ \color{red}{ a_n = a r^{n-1} } } \)

となる。

 

2.3 等比数列の一般項を求める問題

例題1

公比が正である等比数列の第4項が12,第6項が192であるとき,この等比数列の一般項を求めよ。

一般項 \( \displaystyle \color{red}{ a_n = a r^{n-1} } \) の式を使って,\( a \),\( r \) の連立方程式を作り,それを解いて一般項を求めます。

【解答】

初項を \( a \),公比を \( r \),一般項を \( a_n \) とすると,
\( a_4 = 12 \),\( a_6 = 192 \) であるから,

\( \begin{cases}
\displaystyle ar^3 = 12 \cdots ① \\
ar^5 = 192 \cdots ②
\end{cases} \)

②を変形して

\( ar^3 \cdot r^2 = 192 \)

この式に①を代入して

\( 12 r^2 = 192 \)

∴ \( r^2 = 16 \)

問題文の条件より,公比は正なので

\( \color{red}{ r = 4 } \)

これを①に代入して

\( a \cdot 64 = 12 \)

∴ \( \displaystyle \color{red}{ a = \frac{3}{16} } \)

したがって,

\( \begin{align}
\displaystyle \color{red}{ a_n } & = \frac{3}{16} \cdot 4^{n-1} \\
\\
& = \frac{3}{4^2} \cdot 4^{n-1} \\
\\
& \color{red}{ = 3 \cdot 4^{n-3} \cdots 【答】 }
\end{align} \)

 

2.4 等比数列の性質(等比中項)

数列 \( a, \ b, \ c \) が等比数列ならば

\( \displaystyle \frac{b}{a} = \frac{c}{b} \) ゆえに \( b^2 = ac \)

このとき,\( b \) を \( a \) と \( c \) の 等比中項 といいます。

また,\( \displaystyle b = \sqrt{ac} \) より,\( b \) は \( a \) と \( c \) の相乗平均になります。

相加相乗平均まとめ(公式・証明・使い方・最小値・等号成立)

2018年10月23日

 

3. 等比数列の和

次は等比数列の和について解説していきます。

3.1 等比数列の和の公式

等比数列の和の公式

初項 \( a \),公比 \( r \),項数 \( n \) の等比数列の和を \( S_n \) とする。

\( r \neq 1 \) のとき

\( \displaystyle \large{ \color{red}{ S_n = \frac{a ( 1-r^n ) }{1-r} = \frac{a ( r^n – 1 ) }{r-1} } } \)

\( r = 1 \) のとき

\( \displaystyle \large{ \color{red}{ S_n = na } } \)

なぜこのような式なるのかを,必ず理解しておきましょう。
次で解説していきます。

 

3.2 等比数列の和の公式の証明

まずは具体的に「初項2,公比3,項数6の等比数列の和Sを求めることを考えてみましょう。

次のように,ますSを並べ,その下に「両辺を公比3を掛けたもの」を並べます。
そして辺々を引きます。

よって

\( \displaystyle (1 – 3) S = 2 ( 1 – 3^6 ) \)

∴ \( \displaystyle \color{red}{ S } = \frac{2 ( 1 – 3^6 )}{1-3} \color{red}{ = 728 } \)

と求めることができました。

もとの数列の和から,公比を掛けたものを引くと,ごっそり項が消去できることを利用します!

 

この考え方で,一般化して等比数列の和を求めてみましょう。

初項 \( a \),公比 \( r \),項数 \( n \) の等比数列の和を \( S_n \) とすると

∴ \( (1-r) S_n = a ( 1 – r^n ) \)

よって,\( r \neq 1 \) のとき

\( \displaystyle \color{red}{ S_n = \frac{a ( 1-r^n ) }{1-r} = \frac{a ( r^n – 1 ) }{r-1} } \)

 

また,\( r = 1 \) のとき

\( \displaystyle \color{red}{ S_n } = \underbrace{a + a + a + \cdots + a}_{n個} \color{red}{ = na } \)

 

このようにして等比数列の和の公式が得られます。

 

3.3 等比数列の和を求める問題

それでは,公式を使って等比数列の和を求める問題にチャレンジしてみましょう。

例題2

(1) 初項6,公比4,項数 \( n \) の等比数列の和 \( S_n \) を求めよ。

(2) 第3項が4,第6項が \( \displaystyle – \frac{1}{2} \) である,公比が実数である等比数列の初項から第5項までの和を求めよ。

【解答】

(1) 初項6,公比4,項数 \( n \) より

\( \displaystyle \color{red}{ S_n } = \frac{6 ( 4^n – 1 )}{4-1} \color{red}{ = 2 ( 4^n – 1 ) \cdots 【答】} \)

 

(2) 初項 \( a \),公比 \( r \),一般項 \( a_n \) とする。

\( a_3 = 4 \),\( \displaystyle a_6 = – \frac{1}{2} \) より

\( \begin{cases}
\displaystyle ar^2 = 4 \cdots ① \\
\displaystyle ar^5 = – \frac{1}{2} \cdots ②
\end{cases} \)

②÷①より

\( \displaystyle \frac{ar^5}{ar^2} = \frac{- \frac{1}{2}}{4} = – \frac{1}{8} \)

∴ \( \displaystyle r^3 = \left( – \frac{1}{2} \right)^3 \)

条件より,公比は実数であるので

\( \displaystyle \color{red}{ r = – \frac{1}{2} } \)

これを①に代入すると

\( \color{red}{ a = 16 } \)

したがって,初項から第5項までの和 \( S_5 \) は

\( \begin{align}
\displaystyle \color{red}{ S_5 } & = \frac{ 16 \left( 1 – \left(- \frac{1}{2} \right)^5 \right) }{ 1 – \left(- \frac{1}{2} \right) } \\
\\
& = 16 \times \frac{ \left( 1 + \frac{1}{32} \right) }{ \frac{3}{2} } \\
\\
& = \frac{32}{3} \times \frac{33}{32} \\
\\
& \color{red}{ = 11 \cdots 【答】 }
\end{align} \)

 

等比数列の和の公式使い分け

\( r>1 \) のときは分母が \( r-1 \) の公式,\( r<1 \) のときは分母が \( 1-r \) の公式を使うと,分母が正となり計算が楽です!

4. 等比数列まとめ

さいごに今回の内容をもう一度整理します。

等比数列まとめ

【等比数列の一般項】

初項 \( a \),公比 \( r \) の等比数列 \( {a_n} \) の一般項は

\( \displaystyle \large{ \color{red}{ a_n = a r^{n-1} } } \)

(第 \( n \) 項)=(初項)×(公比)\( ^{n-1} \)

 

【等比数列の和の公式】

  \( r \neq 1 \) のとき

\( \displaystyle \large{ \color{red}{ S_n = \frac{a ( 1-r^n ) }{1-r} = \frac{a ( r^n – 1 ) }{r-1} } } \)

  \( r = 1 \) のとき

\( \displaystyle \large{ \color{red}{ S_n = na } } \)

以上が等差数列の解説です。

和の公式は,公式を丸暗記するというよりは,式の意味を理解することが重要です!
そうすれば公式を忘れることもなくなりますし,自分で簡単に導出することができます。

等比数列をマスターして,数列を得点源にしてください!

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