Σシグマの公式まとめと計算方法(数列の和の公式)

東大塾長の山田です。
このページでは、数学B数列の「シグマ記号(Σ)」について解説します

和の記号であるΣ(シグマ)の公式と性質(計算方法)を具体的に問題を解きながら超わかりやすく解説していきます
ぜひ勉強の参考にしてください!

Σシグマの定義

\( \displaystyle \large{ \sum_{k=1}^{n} a_k = \underbrace{ a_1 + a_2 + a_3 + \cdots + a_n}_{1からnまで} } \)

1. Σシグマの公式まとめ(数列の和の公式)

まずは,覚えておくべきΣシグマの公式5つをまとめます。

Σシグマの公式(数列の和の公式)

\( \displaystyle 1. \ \large{ \color{red}{ \sum_{k=1}^{n} a = na } } \)

\( \displaystyle 2. \ \large{ \color{red}{ \sum_{k=1}^{n} k = \frac{1}{2} n (n+1) } } \)

\( \displaystyle 3. \ \large{ \color{red}{ \sum_{k=1}^{n} k^2 = \frac{1}{6} n (n+1) (2n+1) } } \)

\( \displaystyle 4. \ \large{ \color{red}{ \sum_{k=1}^{n} k^3 = \left\{ \frac{1}{2} n (n+1) \right\}^2 } } \)

\( \displaystyle 5. \ \large{ \color{red}{ \sum_{k=1}^{n} r^{k-1} = \frac{a ( 1-r^n ) }{1-r} = \frac{a ( r^n – 1 ) }{r-1} } } \)

(公式の証明はこのあとの「4. Σシグマの公式の証明(数列の和の公式の証明)」で解説しています。)

 

2. Σシグマの性質(計算方法)

和の記号Σの性質

\( p \),\( q \) は \( k \) に無関係な定数とする。

\( \displaystyle 1. \ \large{ \sum_{k=1}^{n} (a_k + b_k) = \sum_{k=1}^{n} a_k + \sum_{k=1}^{n} b_k } \)

\( \displaystyle 2. \ \large{ \sum_{k=1}^{n} p a_k = p \sum_{k=1}^{n} a_k } \)

特に \( \displaystyle \sum_{k=1}^{n} (p a_k + q b_k) = p \sum_{k=1}^{n} a_k + q \sum_{k=1}^{n} b_k \)

これらの性質が成り立つこのは簡単に確認できます。

【性質①の証明】

2つの数列 \( \left\{ a_n \right\} \),\( \left\{ b_n \right\} \) に対して

\( \begin{align}
\displaystyle & \color{red}{ \sum_{k=1}^{n} (a_k + b_k) } \\
\\
& = (a_1 + b_1) + (a_2 + b_2) + \cdots + (a_n + b_n) \\
\\
& = (a_1 + a_2 + \cdots + a_n) + (b_1 + b_2 + \cdots + b_n) \\
\\
& \color{red}{ = \sum_{k=1}^{n} a_k + \sum_{k=1}^{n} b_k }
\end{align} \)

【性質②の証明】

数列 \( \left\{ a_n \right\} \) と定数 \( p \) に対して

\( \begin{align}
\displaystyle & \color{red}{ \sum_{k=1}^{n} p a_k } \\
\\
& = pa_1 + pa_2 + \cdots + pa_n \\
\\
& = p ( a_1 + a_2 + \cdots + a_n ) \\
\\
& \color{red}{ = p \sum_{k=1}^{n} a_k }
\end{align} \)

以上のΣの性質と和の公式を利用すると,いろいろな数列の和が求められるようになります!
次で実際に問題を解きながら解説していきます。

 

3. Σシグマの計算問題

3.1 Σシグマの計算の基本問題

例題

次の和を求めよ。

 (1) \( \displaystyle \sum_{k=1}^{n} (4k+3) \)

 (2) \( \displaystyle \sum_{k=1}^{n} (k+3)(k-2) \)

(1)は,Σの公式と性質を利用して一発です。
(2)は,まず \( (k+3)(k-2) \) を展開して計算をしていきましょう。

【解答】

(1) \( \displaystyle \color{red}{ \sum_{k=1}^{n} (4k+3) } \)

\( \begin{align}
\displaystyle & = 4 \sum_{k=1}^{n} k + \sum_{k=1}^{n} 3 \\
\\
& = 4 \cdot \frac{1}{2} n (n+1) + 3n \\
\\
& = 2n^2 + 2n + 3n \\
\\
& \color{red}{ = 2n^2 + 5n \cdots 【答】 }
\end{align} \)

 

(2) \( \displaystyle \color{red}{ \sum_{k=1}^{n} (k+3)(k-2) } \)

\( \begin{align}
\displaystyle & = \sum_{k=1}^{n} (k^2 + k – 6) \\
\\
& = \sum_{k=1}^{n} k^2 + \sum_{k=1}^{n} k – \sum_{k=1}^{n} 6 \\
\\
& = \frac{1}{6} n (n+1) (2n+1) + \frac{1}{2} n (n+1) – 6n \\
\\
& = \frac{1}{6} n \left\{ (n+1)(2n+1) + 3(n+1) – 36 \right\} \\
\\
& = \frac{1}{6} n ( 2n^2 + 6n – 32 ) \\
\\
& \color{red}{ = \frac{1}{3} n (n^2 + 3n – 16) \cdots 【答】 }
\end{align} \)

 

3.2 一般項を求めてから和を求める問題

例題2

次の数列の初項から第 \( n \) 項までの和を求めよ。

 (1) 1, 1+2, 1+2+3, …, 1+2+3+…, …

 (2) \( 1, \ 1+2, \ 1+2+2^2, \ \cdots \)

今回は数列の一般項が与えられていません
Σで和を求めるには一般項がわからないとダメなので,まずは一般項を求めます!

【解答】

与えられた数列の第 \( k \) 項を \( a_k \) とし,求める和を \( S_n \) とする。

(1) 1, 1+2, 1+2+3, …, 1+2+3+…,…

\( a_k = 1+2+ \cdots + k \) となる。

つまり,\( a_k \) は1から \( k \) までの自然数の和であるから

\( \displaystyle \color{red}{ a_k } = \sum_{i=1}^{k} i \color{red}{ = \frac{1}{2} k (k+1) } \)

よって

\( \begin{align}
\displaystyle \color{red}{ S_n } & = \sum_{k=1}^{n} \frac{1}{2} k (k+1) \\
\\
& = \frac{1}{2} \sum_{k=1}^{n} (k^2 + k) \\
\\
& = \frac{1}{2} \left( \sum_{k=1}^{n} k^2 + \sum_{k=1}^{n} k \right) \\
\\
& = \frac{1}{2} \left\{ \frac{1}{6} n (n+1) (2n+1) + \frac{1}{2} n (n+1) \right\} \\
\\
& = \frac{1}{2} \cdot \frac{1}{6} n (n+1) \left\{ (2n+1) + 3 \right\} \\
\\
& = \frac{1}{2} \cdot \frac{1}{6} n (n+1) (2n+4) \\
\\
& \color{red}{ = \frac{1}{6} n (n+1) (n+2) \cdots 【答】 }
\end{align} \)

 

(2) \( 1, \ 1+2, \ 1+2+2^2, \ \cdots \)

\( a_k = 1 + 2 + 2^2 + \cdots + 2^{k-1} \) となる。

つまり,\( a_k \) は初項1,公比2,項数 \( k \) の等比数列の和であるから

\( \displaystyle \color{red}{ a_k } = \frac{1 \cdot (2^k – 1)}{2-1} \color{red}{ = 2^k – 1 } \)

よって

\( \begin{align}
\displaystyle \color{red}{ S_n } & = \sum_{k=1}^{n} (2^k – 1) \\
\\
& = \sum_{k=1}^{n} 2^k – \sum_{k=1}^{n} 1 \\
\\
& = \frac{2(2^n – 1)}{2-1} – n \\
\\
& \color{red}{ = 2^{n+1} – n – 2 \cdots 【答】 }
\end{align} \)

 

3.3 【応用】階差数列と分数の数列(部分分数分解)

もうひとつ,シグマを利用する応用の頻出の問題として,「階差数列」と「分数の数列(部分分数分解)」の問題があります。

これらの詳しい解説は「階差数列の全てをわかりやすくまとめた」の記事でしているので,ぜひチェックしてください。

階差数列の全てをわかりやすくまとめた(公式・漸化式・一般項の解き方)

2019年2月13日

 

4. Σシグマの公式の証明(数列の和の公式の証明)

Σシグマの公式の証明をしていきます。

Σシグマの公式の証明は入試問題で出題されることもあるので、ぜひ理解しておきましょう。

【証明①】「\( \displaystyle \color{red}{ \sum_{k=1}^{n} a = na } \)」

数列 \( \left\{ a_n \right\} \) において,\( a_1 = a_2 = a_3 = \cdots = a_n = a \) のときは

\( \displaystyle \color{red}{ \sum_{k=1}^{n} a } = \underbrace{a+a+ \cdots + a }_{n個} \color{red}{ = na } \)

【証明②】「\( \displaystyle \color{red}{ \sum_{k=1}^{n} k = \frac{1}{2} n (n+1) } \)」

これは,等差数列の和の公式通りですので,さらっといきます。

等差数列の公式まとめ(一般項・和の公式・証明)

2019年2月7日

初項1,末項 \( n \),公差1,項数 \( n \) の等差数列の和を考えるので

\( \begin{align}
\displaystyle \color{red}{ \sum_{k=1}^{n} k } & = 1+2+3+ \cdots + n \\
\\
& \color{red}{ = \frac{1}{2} n (n+1) }
\end{align} \)

【証明③】「\( \displaystyle \color{red}{ \sum_{k=1}^{n} k^2 = \frac{1}{6} n (n+1) (2n+1) } \)」

恒等式

\( (k+1)^3 – k^3 = 3k^2 + 3k + 1 \cdots ① \)

を利用して,証明をします。

①で \( k = 1, \ 2, \ 3, \ \cdots, \ n \) を代入すると

これら式の辺々を加えると

\( \displaystyle \sum_{k=1}^{n} k = \frac{1}{2} n (n+1) \) を代入して整理すると

\( \displaystyle (n+1)^3 – 1^3 = 3 \sum_{k=1}^{n} k^2 + 3 \cdot \frac{1}{2} n (n+1) + n \)

ゆえに

\( \begin{align}
\displaystyle 3 \sum_{k=1}^{n} k^2 & = (n+1)^3 – 1 – \frac{3}{2} n (n+1) – n \\
\\
& = n^3 + 3n^2 + 3n – \frac{3}{2}n^2 – \frac{5}{2} n \\
\\
& = n^3 + \frac{3}{2} n^2 + \frac{1}{2} \\
\\
& = \frac{1}{2} n (2n^2 + 3n + 1) \\
\\
& = \frac{1}{2} n (n+1) (2n+1)
\end{align} \)

∴ \( \displaystyle \color{red}{ \sum_{k=1}^{n} k^2 = \frac{1}{6} n (n+1) (2n+1) } \)

【証明④】「\( \displaystyle \color{red}{ \sum_{k=1}^{n} k^3 = \left\{ \frac{1}{2} n (n+1) \right\}^2 } \)」

恒等式

\( (k+1)^4 – k^4 = 4k^3 + 6k^2 + 4k + 1 \cdots ② \)

を利用して,証明をします。

②で \( k = 1, \ 2, \ 3, \ \cdots, \ n \) を代入すると

これら式の辺々を加えると

\( \displaystyle ∴ \ (n+1)^4 – 1 = 4 \sum_{k=1}^{n} k^3 + 6 \cdot \frac{1}{6} n (n+1) (2n+1) + 4 \cdot \frac{1}{2} n (n+1) (2n+1) + n \)

\( \displaystyle \sum_{k=1}^{n} k^3 \) について解くと

\( \displaystyle \color{red}{ \sum_{k=1}^{n} k^3 = \left\{ \frac{1}{2} n (n+1) \right\}^2 } \)

【証明⑤】「\( \displaystyle \small{ \color{red}{ \sum_{k=1}^{n} r^{k-1} = \frac{a ( 1-r^n ) }{1-r} = \frac{a ( r^n – 1 ) }{r-1} } } \)」

これは,等比数列の和の公式そのものですので,さらっといきます。

等比数列の公式まとめ(一般項・和の公式・証明)

2019年2月8日

初項 \( a \),公比 \( r \),項数 \( n \) の等比数列の和を \( S_n \) とすると

∴ \( (1-r) S_n = a ( 1 – r^n ) \)

よって,\( r \neq 1 \) のとき

\( \displaystyle S_n = \color{red}{ \sum_{k=1}^{n} r^{k-1} = \frac{a ( 1-r^n ) }{1-r} = \frac{a ( r^n – 1 ) }{r-1} } \)

 

以上がΣシグマの解説です!

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