曲線の長さを求める積分公式

東大塾長の山田です。

このページでは、曲線の長さを求める公式について詳しくまとめています!

色々な表示形式における公式の説明をした後に、例題を用いて公式の使い方を覚え、最後に公式の証明を行うことで、この分野に関する体系的な知識を身に着けることができます。

ぜひ勉強の参考にしてください!

1. 曲線の長さ

まずは、公式の形とそれについての補足説明を行います。

1.1 公式

関数の表示のされ方によって、公式の形は異なります(本質的にはすべて同じ)。今回は、「媒介変数表示」「陽関数表示」「極座標表示」のそれぞれ場合の公式についてまとめました。

曲線の長さ

媒介変数表示

\(x=f(t), y=g(t)\)(\(\alpha≦t≦\beta\))で表される曲線の長さ\(L\)は

\(L=\displaystyle\int_\alpha ^\beta \sqrt{\left(\frac{dx}{dt}\right)^2+\left(\frac{dy}{dt}\right)^2} dt\)

 

陽関数表示

\(y=f(x)\)(\(\alpha≦x≦\beta\))で表される曲線の長さ\(L\)は

\(L=\displaystyle\int_\alpha ^\beta \sqrt{1+\left(\frac{dy}{dx}\right)^2} dx\)

 

極座標表示

\(r=f(\theta)\)(\(\alpha≦\theta ≦\beta\))で表される曲線の長さ\(L\)は

\(L=\displaystyle\int_\alpha ^\beta \sqrt{r^2+\left(\frac{dr}{d\theta}\right)^2} d\theta\)

これらは覚えておく必要があります!

1.2 補足(定理の前提条件)

これらの公式、便利なように思えてルートの中に二乗の和が登場してしまうので、計算量が多くなってしまいがちです。(実際に計算が遂行できるような関数はあまり多くない)

また、定理の前提条件を抑えておくと以下で扱う証明のときに役立ちます。上の公式が使える条件は、登場してきた関数\(f(t), g(t), f(x), f(\theta)\)が\(\alpha≦\theta ≦\beta\)において連続∧微分可能である必要があります。

これはのちの証明の際にもう一度扱います。

2. 例題

公式の形は頭に入ったでしょうか?実際に問題を解くことで確認してみましょう。

2.1 問題

問題

【問】次の曲線の長さ\(L\)を求めよ。

(1) \(x=\sin^3 t,\quad y=\cos^3 t\)(\(0≦t≦\displaystyle\frac{\pi}{2}\))

(2) \(y=\displaystyle\frac{e^x +e^{-x}}{2}\)(\(0≦x≦1\))

(3) \(r=1+\cos \theta\)(\(0≦\theta ≦\pi\))

2.2 解答

それぞれに当てはまる公式を用いていきましょう!

それでは解答です。

【解答】

(1) \(x=\sin^3 t,\quad y=\cos^3 t\)(\(0≦t≦\displaystyle\frac{\pi}{2}\))

媒介変数表示の公式を適用すると

\(\begin{aligned}L&=\displaystyle\int_0^{\frac{\pi}{2}} \sqrt{\left(\frac{dx}{dt}\right)^2+\left(\frac{dy}{dt}\right)^2} dt\\&=\int_0^{\frac{\pi}{2}} \sqrt{\left(3\sin^2 t \cos t\right)^2+\left(-3\cos^2 t\sin t\right)^2} dt\\&=\int_0^{\frac{\pi}{2}}\sqrt{9\sin^2 t \cos^2 t (\cos^2 t +\sin^2 t)} dt\\&=3\int_0^{\frac{\pi}{2}}|\sin t \cos t| dt\\&=3\int_0^{\frac{\pi}{2}} \sin t \cos t dt\\&=\frac{3}{2}\int_0^{\frac{\pi}{2}}\sin 2t dt\\&=\frac{3}{2}\left[-\frac{1}{2}\cos 2t \right]_0^{\frac{\pi}{2}} \\&=\frac{3}{2}\end{aligned}\)

となります。

 

(2) \(y=\displaystyle\frac{e^x +e^{-x}}{2}\)(\(0≦x≦1\))

陽関数表示の公式を適用すると

\(\begin{aligned}L&=\displaystyle\int_0^1 \sqrt{1+\left(\frac{dy}{dx}\right)^2} dx\\&=\displaystyle\int_0^1 \sqrt{1+\left(\displaystyle\frac{e^x-e^{-x}}{2}\right)^2} dx\\&=\int_0^1 \sqrt{\left(\frac{e^x+e^{-x}}{2}\right)^2} dx\\&=\int_0^1 \frac{e^x+e^{-x}}{2} dx\\&=\frac{1}{2}\left[e^x-e^{-x}\right]_0^1\\&=\frac{1}{2}\left(e-\frac{1}{e}\right)\end{aligned}\)

となります。

 

(3) \(r=1+\cos \theta\)(\(0≦\theta ≦\pi\))

極座標表示の公式を適用すると

\(\begin{aligned}L&=\displaystyle\int_0^{\pi} \sqrt{r^2+\left(\frac{dr}{d\theta}\right)^2}d\theta\\&=\int_0^{\pi}\sqrt{(1+\cos\theta)^2+(-\sin\theta)^2}\\&=\int_0^{\pi}\sqrt{2(1+\cos\theta)} d\theta\\&=2\int_0^{\pi}\sqrt{\cos^2\frac{\theta}{2}} d\theta\\&=2\int_0^{\pi}\left|\cos\frac{\theta}{2}\right| d\theta\\&=2\int_0^{\pi}\cos\frac{\theta}{2}d\theta\\&=2\left[2\sin\frac{\theta}{2}\right]_0^\pi =4\end{aligned}\)

となります。

3. 導出

3.1 方針

最後に導出を行いましょう。媒介変数表示の公式を導出できれば、残り二つも簡単に求めることができるので、媒介変数表示の公式を証明する方針で行きます。

証明の方針としては、曲線の長さを折れ線で近似して、折れ線の本数を増やしていくことで近似の精度を上げていき、結局は極限を取ってあげると曲線の長さを求めることができる、という仮定のもとで行っていきます。

3.2 証明

【証明】媒介変数表示において

媒介変数が\(t\)から\(t+\Delta t\)に変化するときの、\(x, y\)の増加量を\(\Delta x, \Delta y\)とします。その部分の曲線の長さは、線分の長さで近似することができ(上図オレンジ線)その長さは

\(\sqrt{(\Delta x)^2+(\Delta y)^2}=\sqrt{\left(\displaystyle\frac{\Delta x}{\Delta t}\right)^2+\left(\displaystyle\frac{\Delta y}{\Delta t}\right)^2}\Delta t\)

曲線の長さは折れ線の長さの合計で近似できるから

\(L≒\displaystyle\sum\sqrt{\left(\displaystyle\frac{\Delta x}{\Delta t}\right)^2+\left(\displaystyle\frac{\Delta y}{\Delta t}\right)^2}\Delta t\)

ここで、\(\Delta t \to 0\)としたものが、曲線の長さになるから極限を取ってみると、右辺のルートの中身は微分の定義より、\(\left(\displaystyle\frac{dx}{dt}\right)^2+\left(\displaystyle\frac{dy}{dt}\right)^2\)となり、積分の定義より、

\(L=\displaystyle\int_\alpha ^\beta \sqrt{\left(\frac{dx}{dt}\right)^2+\left(\frac{dy}{dt}\right)^2} dt\)

となります。(証明終)

この公式の証明の最後に極限を取るとき、ルート中身の極限を取ってから全体の極限を取りました。この操作は任意の場合で成り立つものではなく、先に極限を取った部分が有限定値に収束する場合のみに成り立つものです。

今回は、\(f(t), g(t)\)が微分可能であるという前提(前述)があるのでこの条件は満たされています。

また、それぞれの関数を微分した関数自体も連続であるために、シグマの極限を取って積分の形にすることができたということも頭に入れておくと良いでしょう。

他の二つは簡単です。

【証明】陽関数表示において

上記の公式に、\(x=t, y=f(t)\)と媒介変数表示された曲線を適用すればよく、

\(L=\displaystyle\int_\alpha ^\beta \sqrt{1+\left(\frac{dy}{dx}\right)^2} dx\)

 

【証明】極座標表示において

\(x=\cos\theta =f(\theta)\cos\theta, y=r\sin\theta =f(\theta)\sin\theta\)であり、

\(\begin{cases}\displaystyle\frac{dx}{d\theta}=\displaystyle\frac{df(\theta)}{d\theta}\cos\theta -f(\theta)\sin\theta\\\displaystyle\frac{dy}{d\theta}=\displaystyle\frac{df(\theta)}{d\theta}\sin\theta +f(\theta)\cos\theta\end{cases}\)

これを上記公式に適用すると、

\(\begin{aligned}L&=\displaystyle\int_\alpha ^\beta \sqrt{\left(\frac{dx}{d\theta}\right)^2+\left(\frac{dy}{d\theta}\right)^2} d\theta \\&=\displaystyle\int_\alpha ^\beta \sqrt{\left(\displaystyle\frac{dr}{d\theta}\cos\theta-r\sin\theta\right)^2+\left(\displaystyle\frac{dr}{d\theta}\sin\theta +r\cos\theta\right)^2} dt \\&=\int_\alpha ^\beta\sqrt{\left(\displaystyle\frac{dr}{d\theta}\right)^2 (\cos^2\theta +\sin^2 \theta)+r^2(\cos^2\theta +\sin^2 \theta)}d\theta\\&=\int_\alpha ^\beta\sqrt{\left(\displaystyle\frac{dr}{d\theta}\right)^2+r^2} d\theta\end{aligned}\)

となります。

導出過程も頭に入れておくと良いでしょう!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です