階差数列の全てをわかりやすくまとめた(公式・漸化式・一般項の解き方)

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東大塾長の山田です。
このページでは、数学B数列の「階差数列」について解説します

今回は階差数列の一般項の求め方から,漸化式の解き方まで,具体的に問題を解きながら超わかりやすく解説していきます
ぜひ勉強の参考にしてください!

1. 階差数列とは?

まずは階差数列とは何か?ということを確認しましょう。

数列 \( \left\{ a_n \right\} \) の隣り合う2つの項の差

\( b_n = a_{n+1} – a_n \)

を項とする数列 \( \left\{ b_n \right\} \) を,数列 \( \left\{ a_n \right\} \) の 階差数列 といいます。

【例】

\( \left\{ a_n \right\} : 1, \ 2, \ 5, \ 10, \ 17, \ 26, \ \cdots \)

の階差数列 \( \left\{ b_n \right\} \) は

となり,初項1,公差2の等差数列。

 

2. 階差数列と一般項

次は,階差数列と一般項について解説していきます。

2.1 階差数列と一般項の公式

階差数列と一般項の公式

数列 \( \left\{ a_n \right\} \) の階差数列を \( \left\{ b_n \right\} \) とすると

\( n ≧ 2 \) のとき \( \displaystyle \large{ \color{red}{ a_n = a_1 + \sum_{k=1}^{n-1} b_k } } \)

注意

上記の公式は「\( n ≧ 2 \) のとき」という制約付きなので注意をしましょう。

なぜなら,\( n=1 \) のとき,シグマ記号が「\( k = 1 \) から \( 0 \) までの和」となってしまい,数列の和 \( \displaystyle \sum_{k=1}^{n-1} b_k \) が定まらないからです。

\( n = 1 \) のときは,求めた一般項に \( n = 1 \) を代入して確認をします。

Σシグマの計算方法や公式を忘れてしまった人は「Σシグマの公式まとめと計算方法(数列の和の公式)」の記事で詳しく解説しているので,チェックしておきましょう。

Σシグマの公式まとめと計算方法(数列の和の公式)

2019年2月11日

 

2.2 階差数列と一般項の公式の導出

階差数列を用いて,なぜもとの数列が「\( \displaystyle \color{red}{ a_n = a_1 + \sum_{k=1}^{n-1} b_k } \)」と表すことができるのか、導出をしていきましょう。

【証明】

数列 \( \left\{ a_n \right\} \) の階差数列を \( \left\{ b_n \right\} \) とすると

これらの辺々を加えると,\( n = 2 \) のとき

よって

\( \displaystyle a_n – a_1 = \sum_{k=1}^{n-1} b_k \)

∴ \( \displaystyle \color{red}{ a_n = a_1 + \sum_{k=1}^{n-1} b_k } \)

以上のようにして公式を得ることができます。

 

3. 階差数列を利用して一般項を求める問題(入試問題)

それでは,階差数列を利用して,数列の一般項を求める問題(入試問題)にチャレンジしてみましょう。

例題1

数列 \( \left\{ a_n \right\} \) が,5,11,21,35,53,\( \cdots \) のとき
 (1) 一般項 \( a_n \) を求めよ。
 (2) 初項から第 \( n \) 項までの和を求めよ。

[1997 福岡大]

【解答】

(1) 一般項 \( a_n \) を求めよ。

\( \left\{ a_n \right\} \) の階差数列を \( \left\{ b_n \right\} \) とすると

\( \left\{ a_n \right\} : 5, \ 11, \ 21, \ 35, \ 53, \ \cdots \)

\( \left\{ b_n \right\} : \ \color{red}{ 6, \ 10, \ 14, \ 18, \ \cdots } \)

\( \left\{ b_n \right\} \) は初項6,公差4の等差数列であるから

\( \left\{ b_n \right\} = 6 + 4(n-1) = 4n + 2 \)

\( n ≧ 2 \) のとき

\( \begin{align}
\displaystyle \color{red}{ a_n } & = a_1 + \sum_{k=1}^{n-1} b_k \\
\\
& = 5 + \sum_{k=1}^{n-1} (4k+2) \\
\\
& = 5 + 4 \sum_{k=1}^{n-1} k + \sum_{k=1}^{n-1} 2 \\
\\
& = 5 + 4 \cdot \frac{1}{2} (n-1) n + 2 (n-1) \\
\\
& \color{red}{ = 2n^2 + 3 } \cdots ①
\end{align} \)

\( n = 1 \) のとき

\( 2n^2 + 3 = 2 \cdot 1^2 + 3 = 5 \)

初項は \( a_1 = 5 \) であるから,①は \( n = 1 \) のときも成り立つ。

したがって \( \color{red}{ a_n = 2n^2 + 3 \cdots 【答】 } \)

Point
  1. 公式は「\( n ≧ 2 \) のとき」という条件をつけるのを忘れずに注意しましょう。
  2. Σの計算は「1から \( (n-1) \) まで」であるので,ここも注意が必要です。
  3. さいごに,求めた一般項に「\( n = 1 \) のとき」も代入して,\( a_n \) は \( n≧1 \) で成り立つことを示しましょう。

 

(2) 初項から第 \( n \) 項までの和を求めよ。

求める和を \( S_n \) とすると

\( \begin{align}
\displaystyle \color{red}{ S_n } & = \sum_{k=1}^{n} a_k \\
\\
& = \sum_{k=1}^{n} (2k^2+3) \\
\\
& = 2 \sum_{k=1}^{n} k^2 + \sum_{k=1}^{n} 3 \\
\\
& = 2 \cdot \frac{1}{6} n (n+1) (2n+1) + 3n \\
\\
& = \frac{1}{3} n \left\{ (n+1) (2n+1) + 9 \right\} \\
\\
& \color{red}{ = \frac{1}{3} n (2n^2 + 3n + 10) \cdots 【答】 }
\end{align} \)

 

4. 階差数列と漸化式

階差数列の漸化式についても解説をしていきます。

4.1 漸化式と階差数列

漸化式と階差数列

\( \displaystyle \large{ \color{red}{ a_{n+1} = a_n + f(n) } } \)

(\( f(n) \) は階差数列の一般項)

上記の漸化式は,階差数列を利用して解くことができます。

1. 階差数列とは?」で解説したように

\( b_n = a_{n+1} – a_n \)

とおきました。

\( b_n = f(n) \)(\( n \) の式)とすると,数列 \( \left\{ b_n \right\} \) は \( \left\{ a_n \right\} \) の階差数列となるので

\( n ≧ 2 \) のとき \( \displaystyle \color{red}{ a_n = a_1 + \sum_{k=1}^{n-1} b_k } \)

を利用して一般項を求めることができます。

 

4.2 階差数列の漸化式の解き方(入試問題)

例題2

\( a_1 = 1 \),\( a_{n+1} = a_n + 2^n – 2n \ (n = 1, \ 2, \ 3, \cdots ) \) で定義される数列の一般項 \( a_n \) を求めよ。

[2011 法政大]

【解答】

条件より

\( a_{n+1} – a_n = 2^n – 2n \)

よって,数列 \( a_n \) の階差数列の第 \( n \) 項が \( 2^n – 2n \) であるから,\( n ≧ 2 \) のとき

\( \begin{align}
\displaystyle \color{red}{ a_n } & = a_1 + \sum_{k=1}^{n-1} (2^k – 2k) \\
\\
& = 1 + \sum_{k=1}^{n-1} 2^k – 2 \sum_{k=1}^{n-1} k \\
\\
& = 1 + \frac{2 (2^{n-1} – 1)}{2-1} – 2 \cdot \frac{1}{2} n (n-1) \\
\\
& = 1 + (2^n – 2) – n^2 + n \\
\\
& \color{red}{ = 2^n – n^2 + n – 1 } \cdots ①
\end{align} \)

初項は \( a_1 = 1 \) なので,①は \( n = 1 \) のときにも成り立つ。

したがって \( \color{red}{ a_n = 2^n – n^2 + n – 1 \cdots 【答】 } \)

 

このように,漸化式の問題も

\( \displaystyle a_{n+1} – a_n = f(n) \)(\( n \) の式)

とすることで,通常の階差数列の問題と同様に解くことができます。

 

5. 階差数列まとめ

さいごに今回の内容をもう一度整理します。

階差数列まとめ

【階差数列と一般項の公式】

数列 \( \left\{ a_n \right\} \) の階差数列を \( \left\{ b_n \right\} \) とすると

\( n ≧ 2 \) のとき \( \displaystyle \color{red}{ a_n = a_1 + \sum_{k=1}^{n-1} b_k } \)

 

【漸化式と階差数列】

\( \displaystyle \color{red}{ a_{n+1} = a_n + f(n) } \)

(\( f(n) \) は階差数列の一般項)

以上が階差数列の解説です。

階差数列については,公式の導出の考え方が非常に重要です。

公式に頼るだけでなく,公式の導出と同様の考え方で,その都度一般項を求められる力もつけておきましょう。

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